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Yuki Nekomiya

Chocobo (Mana)

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小話: 騒々しくも愛しき日々よ 4話

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 とろりとした眠気が体を包んでくる気がして、ツァスは緩く瞬きをした。軽く頭を振ってみるものの、その程度で吹き飛ばせるほど軽いものでもないらしい。
 手元の雑誌に視線を落としたものの、内容にさっぱり見覚えがなかった。自分としては真剣に読んでいたつもりだったが、気づかぬうちに一瞬うたたねでもしてしまっていたらしい。無理に目を通したところで意味がないだろうと、諦めて雑誌を閉じた。
 ぼんやりと周囲を見回して、思わず笑みが浮かべる。
 暖炉の前のふかふかラグには、大柄のルガディン族の男がごろりと横たわっていた。その隣には、小柄なララフェルの女性が背中を丸めるようにしてころんと寝ている。ツァスが座っている大きなソファには、少し離れてミコッテの青年が腕組みをしたままこっくりと居眠りをしており、その肩にもたれかかるようにしてミコッテの女性がすうすうと寝息を立てている。
 ツァスが食後にここで雑誌を読み始めた時には、みんなそれぞれ賑やかに話をしていたはずなのだが、ツァスと同じように睡魔に負けたのだろう。夕食のシチューは思わずお代わりしてしまうぐらいに美味しかったし、腹が満たされれば眠くなるのも道理というやつで、仕方のないことだと思う。
(なんかいいな、こういうの)
 大事な仲間で。大切な家族だ。――この場に居ない者も含めて、みんな。
 ぱちぱちと暖炉の薪が燃える音だけが、静かな居間に響く。けれどもこの静寂は、胸が痛くなるような鋭さはなく、むしろ微温湯のように空間を満たしているようだった。本当はみんなを起こして、きちんと部屋に戻ってベッドに入るべきなのだろうけれども、なんとなくもったいない気がして、ツァスはもぞりと姿勢をなおした。ゆったりとソファの背もたれに背中を預けて、瞼を下ろす。
(どうか)
 タイミングが合わないのか、なかなか最近顔を見ることも少なくなった仲間たちを、ぼんやりと思い浮かべる。此処ではない場所に居る彼らにも、暖かい夜が訪れているようにと、そう願って。
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