お題:「邂逅/もうひとりの店長へ」(2024年5月11日初演 5月18日再演)
(オーケストリオン「無音」を再生)
‥‥パーティ募集への登録よし。サービスドリンクの準備よし。
(/うなずく)
エプロンを着用して、カウンターに立つ。
カフェ「花鶏亭」の開店準備完了。案内の時間まで、あと少し。
(/活を入れる)
先週は残業が伸びてログインできなかったので、2週間ぶりの営業だ。ちょっと緊張する。
(オーケストリオン「もう一杯!」の再生開始 )
‥‥ほどなく、客がひとり入ってきた。
ここでは見覚えのないミコッテさんだ。新顔さんだな。
(セラピーカーテンを取り除く)
私「いらっしゃいませ。『花鶏亭』へようこそ。お好きなお席へどうぞ。」
私「こちら、サービスドリンクになります。ごゆっくりどうぞ。」
イシュガルドティーを渡し、一礼する。
(/お辞儀をする)
初めての客には、特に優しく応対しようっと。
(/肯定する)
‥‥しかし、その新顔さんは、おかしなことを言い始めた。
新「先週はありがとうございました。楽しかったです。」
ちょっと、ちょっと待って;その日は私、ここにいなかったぞ?;
(/疑問を抱く)
‥‥新顔さんは、メッセージブックにそのときのことを書いたという。
あわてて確認すると、確かに、先週の同じ曜日の日付で書き込みがある。
しかも、既読だ。
いったいどういうことなんだこれは?;
(/仰天)
‥‥そこへ、常連のAさんと、他の2人が店に入ってきた。
(セラピーカーテンを取り除く)
さっそく、先週のことについて聞いてみる。
(/話す)
Aさんは、ひょうきんで悪ふざけをするミッドランダーの女性キャラだ。彼女は言った。
A「えーw、間違いなく店主さんでしたよ?キャラ名も同じだし。」
A「会話への返しも軽妙で、いつもどおりだったしw。」
私は、何かのドッキリ企画でからかわれているのだろうか?;4月1日でもないのに?
(/呆れる)
‥‥そこへ、お店巡りのベテランであるNさんが入ってきた。先週は来店しなかったという。
(ワインバレルを移動する)
これまでの話を聞くと、彼女は言った。
N「そうねえ、誰かが店主さんになりすましてカウンターに入っていたんじゃない?」
N「私にも、わざわざ私と姿格好を似せたキャラを使っている人がいるよ。」
N「でも、名前も所属ワールドもまったく一緒だったっていうのは、変よねぇ。」
それに重ねて、Aさんが言った。
A「さては、アラグの秘術で、店主さんそっくりのクローンが作られてたんじゃない?www」
(/首を横に振る)
常連さんたちはそのあと、ドッペルゲンガーというものの性質について語り合い、談笑して盛り上がっていた。
不思議なこともあるものだ。私が先週ここにいなかったのは、間違いのないことなのに;
(/考える)
‥‥最初にやってきた新顔さんは、このようなことを言っていた。
新「店主さんのお話、とても面白かったですよ。初めての私に気を遣ってくれて。」
新「また来たいなと思ったので、今夜もお邪魔したんです。」
この評価、過分なお褒めの言葉だけど、私へ向けたものだと思っていいのだろうか?;
(/肩をすくめる)
A「あ、店主さん、照れてるw。可愛い♪」
N「長いことお店をやってると、いろんなことがあるわねw。」
新「(憧れの目差し・・・・)」
また笑いが巻き起こる。話題は来月に迫ったユーザーイベントのことに移っていった。‥‥
(オーケストリオン「無音」を再生)
‥‥「おくつろぎのところ、大変申し訳ありませんが、閉店の時間になりました~。
本日は『花鶏亭』にご来店ありがとうございました!」
‥‥私は、客がみんな帰った後の店内をしばらく眺め、今夜聞いた話を思い返していた。
そして、メッセージブックスタンドへ歩み寄り、
(メッセージブックスタンドへ歩み寄る)
こう書き込んだ。
(舞台前に移動する)
「もうひとりの店長‥‥いや、もうひとりの私へ。」
「私の留守に店を開けてくれてありがとう。客への応対は評判が良かったようだな。」
「いつか、直接対面して、酒でも酌み交わしたいものだ。その日を愉しみにしているよ!」
(/歓迎する)
(おしまい)
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