かつてFFVにおいて、羨望の的だったキャラクターがいた。
兄のプレイデータに居た、竜騎士のファリスである。
赤い槍を手に、真っ赤な甲冑を纏い、ジャンプで敵を確実に倒していく姿は、幼少期の強い憧れとして歳をとりまくった今でも鮮烈に記憶されている。
かつて三度の挫折を経た「ひりゅうのやり」を装備したファリス。
ナブ矛とヘネ矛・強ジャベリンと並び立つ夢物語。
FFVにおいて最強の槍だった飛竜の槍。
十余年以上の因縁を、「40↑のリューサンの装備は次何にすればいいんだろう~?」と言うあまりにも軽すぎる疑問解決の際に見つけてしまったこの…この運命力。
嗚呼、大好きな憧れの飛竜の槍ちゃん…このゲームにも実装されているとは思わなんだ。
喉から…喉から手が出るほど欲しい…ひりゅうのやり…!!
その日からストーンヴィジル周回がはじまった。
極度の緊張からくる多量の発汗、震え、発熱をこらえながら周回すれどもすれども、一度も宝箱からでてこない飛竜の槍。
せめてロットくらいはさせて欲しい飛竜の槍。
カペラ、ブルースチール、ブルースチール、古代の剣、アルス・アルマデル、ブルースチール、アイゼンテンツァー…カードは落せど槍は落ちず。
ただただチョコボ頭が吹雪に揺れるばかり…。
いやブルースチール率高くない?(半ギレリューサンのレベルが50になり、ジョブクエでまたもや兄弟子との別れを経験し、それでも欲しけりゃ通えと申すストーンヴィジル。
しかしながらリューサンのレベル上げも兼ねていたとはいえ、すっかりその必要もなくなり、効率の悪さに頭を悩ませていた頃。
友人氏による「制限解除」によるID踏破に連れて行ってもらった。
ただただ走り抜けるだけのストーンヴィジルマラソンである。
めっちゃ優しい友人のキャラがちょっとガンブレードや杖を振るだけで地に倒れ伏す敵。
追いつくころには死体を踏み越えていくだけの道。
斧に至ってはイスケビントを
一撃で処すパワープレイである。
ワンパンは流石に草。
二度のマラソン大会で後続をしていただけの僕はそうして思い至る。
この制限解除、50↑レベルのモンクマンにも出来ないだろうか?
わざわざDPSの長いシャキ待ちをするほどの価値は、41装備にはほぼほぼないだろう。
さっさと先に進んで強くなってくれば格好いい武器はいっぱいでてくるんだろう。
でも今見つけてしまって…今欲しくなってしまって…ひりゅうのやりって名前付いとることに価値があって…自力だけでなんとかならんかな、と思ってしまった。
ひとりストーンヴィジル周回。
道中は気を抜けばドラゴンフライに微塵にされ、少しでもタイミングがずれればイスケに嵌められてコシュチェイに焼き殺され、ジズとエイビスの餌になる。
でも、今後タンクをする機会があるとすれば道順がしっかり覚えられるわけで。
一人旅は一瞬でも気を抜けば振り出しに戻るけれども、勝てるギリギリは楽しいことを教えてくれた。
モンク一人旅において、怖いのは避けられないブリザドとスノウフォール。しかと記憶。
いやまじでアイススプライト三匹に負けた時は自分の腕の悪さにだいぶ引いた。霊木の杖は落ちなかったものの、十余周ほど闘い続け無事に飛竜の槍を入手と相成りました。
これにはサンクレッドさんも宙返りでお祝い。
物欲は程々にすべき、と、学んだ出来事だったとさ。
(ちょっとスクショいっぱい使ってみたかっただけとも言う)
どっとはらい。