重い話から始まります。
昨年11月、父が癌で亡くなりました。
父と母はとても仲が良く、余命宣告を受けてから母は自分の持ちうる時間を全て父のために使いました。父は余命よりも少し頑張った後、静かに旅立ちました。
母の落ち込み様は凄まじく、自分の時間を持てるようになったものの、あまり前向きでない日々が続きました。
半年経ったある日。
母がぽつりと「何か面白いことない?」と聞いてきました。
私はその発言を咀嚼するより前に「FF14やる?」と反射的に答えていました。
言ってからしまったと思いました。元々母はゲーマーでしたが最後にプレイしたRPGはFF12、もう今から15年も前の話です。ただ、光のお父さんは書籍で読んでいたしドラマも全部観ていてとっつきやすいかなあなんて淡い期待と、好きなもの突っぱねられたらどうしようなんて半笑いを浮かべる自分自身がみっともないように感じました。
「うん、いいね」
おわあああああああああ!!!
ありがとう光のお父さん!!!!!!!!!!
オンラインゲームがどういうものかという説明と、とにかくエオルゼアで私の本名を呼ぶなと厳命している間に自宅の使ってないPS4をレストアして母に献上し、セットアップ終了後、キャラクリを横で見ていました。
「私がチビだから大きな女性がいい」とか「これいい!」「うーんこっちにするとバランスが悪い」と楽しそうに悩む姿は老若男女関係ないですね。
誕生日決めるときに迷わず父の誕生日にしたときはちょっと泣きそうになりました。
さて、エオルゼアに導いたのはいいものの、少し問題がありまして。
母はネットに疎く(キャラ名で検索かけたりしないのでそれは安心しています)、現在もアップデートが続き、仕様が変わっていく状況に戸惑っております。MMOの良さでもありますが慣れない人には驚きですよね。よく「紙媒体でほしい」と嘆いております。難しいことは重々承知ですので重要な情報を私が紙に起こして渡しています。
そうなると情報提供先が私のみになり、私からの情報依存になることが少し怖いのです。ただ私には、情報提供してくださる心強い方々がいるのでそこはとてもありがたいです。大変助かっております。
そんなこんなで母がエオルゼアに降り立ちもうすぐ2か月が経とうとしています。「地図上に良質な短編集がいっぱい落ちてて楽しい」とのこと。母は自分の腕と迷惑を掛けることを心配しており、進捗は遅いですが現在真ラムウが終了したところです。
この前は立て続けに3つもID行きました、やはり根はゲーマーなんだと思います。しばらくは辞めなさそうなので安心です。
いつも初見同行してくださるかたがた、本当に本当にありがとうございます。これからも親子珍道中は続く予定です。
FF14、母に元気を取り戻してくれてありがとう。
母が楽しそうに取り組んでいる姿を見て私も救われています。
余談。
母「白珊瑚持ってる?あと氷性岩とか水性岩とか」
私「も……もってないです……すまねえ……」
娘は戦闘勢なのでそっち方面はまるで役に立ちません!
おわり。