Zum Kommentieren musst du eingeloggt sein.
Einloggen
Die Anzahl der anzuzeigenden Einträge kann verringert werden.
※ Aktivitäten, die Ranglisten betreffen, werden auf allen Welten geteilt.
※ Aktivitäten zur Grüdung von PvP-Teams können nicht nach Sprache gefiltert werden.
※ Aktivitäten deiner Freien Gesellschaft können nicht nach Sprache gefiltert werden.
--------------------------------------
「さ、おとなしくしててにゃ?」
よく知った屋敷に初めて入り、とある扉の前で止められる。
前を歩いていたミコッテの女が扉の前に立つ執事に話を通す。
後ろにはクロッカスを打ちのめした屈強なルガディンの男が立っている。
逃げ出すような隙はなさそうだ。
逃げ出すつもりなど毛頭ないが。
「ご主人様、例の男が参りました。」
執事がドア越しに声をかける。
「いいぞ。通せ。」
主の許可を得て、執事がその扉を開く。
後ろのルガディンの男に入るよう促される。
ミコッテの女は扉の傍で待機している。
確かな足取りで扉の中に入る。
中には初老のエレゼンの男が質素だが品質は確かな椅子に腰を掛けている。
そして、
「よくもまぁのこのこ顔を出せたもんね..」
その傍らには妖絶な笑みを浮かべるエレゼンの女。
「テメェ....!!」
「あら、怖い顔しちゃって...ねぇ、お父様。こんな奴早く地下牢にでも閉じ込めてくださらない?」
冷静を心がけていたが、つい感情を露わにしてしまう。
「おお、可愛い娘よ。すぐにそうしよう!すまないな。娘を酷い目に合わせた男の顔を一目見ておこうと思っただけなんだ。許しておくれ。」
「いいのよお父様....お父様は私のために何でもしてくださるから....」
挑発的な笑みを浮かべながらこちらを見る。
「そろそろかしら?この男の家に攻め込むのは?」
「クッ...」
つい動いてしまいそうになる身体をなんとか抑え込む。
「とんだ腰抜けね...自分の家が攻められると聞いているのに飛び掛かる気概もないなんて...」
挑発を続ける女。
「家族すら守れない男...あらごめんなさい。家族じゃなかったわね。あなたが攫ってきた人々だったわね!!」
拳を固くしながらも挑発に耐える。
「これ以上こいつを見ない方がいいだろう。あとはお父さんに任せておきなさい。」
「そうね...気晴らしにこいつの家が燃える所でも見てくるわね...!!あとはお願いね。お父様。」
「ああ、任せておきなさい。お前の気が済むまで見てくるといい。こいつはすぐに地下牢に閉じ込めておくからな。拷問をして、後悔させてやろう。」
その言葉を聞いて満足したのか女は部屋を後にする。
見送った初老の男は柔和な顔つきを崩す。
先程の声とは違い、固く厳格な声で部下に指示を出す。
「こいつを今すぐ地下牢に拘束しろ。」
ドアの傍らに立っていた二人が拘束してくる。
「抵抗はしないのにゃ?」
女の問いかけに無言で答える。
「そう、ま、別にいいけどねぇ。」
二人に連れられ、無抵抗で連行されていく男の姿を見送りながらビンテージのボトルを開ける。
そしてグラスに注いだ液体を無言で飲み干した。
-----------------------------------------
「そろそろか...へへ...あのクソ野郎に一泡吹かせられると思うとたまんねぇな..」
兵を取り仕切る立場にいる男は笑みが止まらない。
「隊長...しかし、本当にあれをお使いになるつもりですか...??]
傍に控えていた副官に問いかけられる。
「あぁ..使うぞ、なんの為にあれがあると思ってんだ..」
「し、しかし...聞いたところによるとあそこには子供も多く生活しているとか...保護が目的ではないのですか??」
なおも食って掛かってくる副官に次第に嫌気がさしてきた。
「うるせぇなぁ...ここで一番偉いのは誰だ?お前か?
「いえ...隊長であります...」
「だったらよぉ、俺の言うことに従っていればいいんだわ。それとも..」
その顔に悪辣さを滲ませながら言葉を続ける。
「お前であれを試してみるか?ん?」
胸ぐらを掴みとある兵器の前に引きずりこむ。
「ヒッ...お、お許しを...」
その言葉を聞いて満足したのか放り投げる。
「俺様に楯突いたのは許されないが...まぁ、いいだろう。お前が戦闘で突撃しろ。」
「はっ...」
「そして目に映るもの全てを殺して俺の前に持ってこい。」
「なっ..」
唖然とする副官に怪訝な表情を見せる。
「やっぱりこいつらじゃあ駄目そうだな...あいつらを呼ぶか。」
言うや否や、指笛を吹く。
「やっとですかぃ…親分…」
下卑た笑みを浮かべながら現れる男達。
「だ、誰ですかこいつらは…!!!」
「んー?使えないお前達よりもよっぽど頼りになる奴等さ…おい!お前ら!金目の物は全部持っていっていいぞ!」
ゴロツキ達が歓声をあげる。
「さて、早速かかるか!野郎共!」
唖然とする副官を無視するように入り口の門へと歩みを進めるゴロツキ達。
他の兵はただただ見ていることしか出来ない。
何故なら、誰一人としてこのゴロツキに勝てるものはいないのだから。
「ちっ…所詮は私兵か…まぁいい。こんな屋敷なぞあいつらで十分だな。」
ゴロツキの中でも1番がめつい男が入り口の門に1番早くたどり着いた。
「ちょっとお話いいかなぁ!」
当然返事はないことを予想しての行動。
しかし、玄関の扉が開く音。
驚きはしたもののこれ幸いにと剣を構える。
未だに門は閉じたままだ。
「何かご用で?」
門越しに男の声。
「いやぁなに、ちょっとお宅のところのご主人に用があってね。門を開けてはくれないか?」
門が微かに開く。
その微妙な隙間に身体をねじ込むゴロツキの男だったが、中からの蹴りをモロに受け床でのびてしまった。
その様を見てゴロツキ達は手を叩き大笑いをする。
しかし、依然として固く閉ざされた門。
それに苛つかない筈がなかった。
最早声をかけるまでもなく、門をこじ開けようと武器を叩きつける男達。
だが、それはビクともしない。
「イライラさせやがって!お前らどけぇ!こいつを使う!」
ゴロツキの頭領が痺れを切らし叫ぶ。
兵器に乗り、エンジンをかける。
激しい駆動音と共に起動したそれは、帝国の魔導兵器だった。
「木っ端微塵になりやがれぇ!」
悪魔のような口を開き、そこから高エネルギーの塊を門に向かって放つ。
轟音と土煙が舞う。
未だに土煙は晴れない。
だが、門が残っていることを確信する者はいなかった。
「お前ら!やっちまえ!」
号令に呼応し、突っ込むゴロツキ達。
だが、先頭を走っていた男が吹っ飛んだことで出鼻を挫かれる。
「ここは…誰も通さねぇ…」
土煙が晴れる。
「任されたんだ…だから…!!!」
傷だらけの大男が剣を構え睨み付けていた。
「たとえ死んだって!ここは俺が護る!!」
多勢に無勢。
だが、最早退くという選択肢は男に無かった。
-------------------
地下牢に繋がれた男は思案していた。
どうするべきか。
あの得たいの知れない存在がいる以上、少しでも早く向かわなければならない。
だが、こうも拘束されていてはどうしようもない。
「また…俺は…」
そう呟く男は、こちらに近づいてくる足音に気が付く。
その正体は、繋がれた男の前で止まる。
「…」
何も言わずにこちらを見つめる初老の男。
その視線を正面から見つめ返す。
初老の男が口を開く。
「まったく…娘を誑かした挙げ句逃げた男が何をしているのかと思えば…子供を拐って家族ごっこか?」
憮然とした表情でこちらを見る。
「フン…何か言うことはないのか?」
「…すまない」
返答を聞いて怒りを顔に滲ませる。
「すまないだと?貴様、それは、何の謝罪だ?許すわけがないだろう?」
「許されるとは思っちゃいない…ただ、彼女を守れなかった…それは…」
強く鉄格子を叩く音が響く。
「そうだ。私の大切な娘を、貴様は守れなかった。なのに貴様はのうのうと生きている。この気持ちがわかるか?」
「…」
返す言葉はない。
言葉を受け止めるように、ただうつむくしかない。
「今すぐにでも貴様を八つ裂きにしたい。だがな、私はそんな野蛮なことはしない。」
「それで、お前は、アレを殺せるのか?」
突然の質問に驚き顔をあげる。
「貴様は、あの、忌々しい、私の愛しい娘の姿をしたアレを、殺せるのかと聞いている。」
驚く顔を見ても、憮然とした表情は変わらない。
「私を見くびる気か?金ならいくらでもある。それこそ、貴様と同じくらいにはな。情報は時に武器になる。」
鉄格子をあけ、中に入ってくる。
「取引といこう。貴様は家族を助け、過去の罪を清算出来る。失敗すれば貴様らはみな死ぬだけだ。」
まっすぐこちらを見つめる。
返答なぞ、決まりきっている。
「俺を、ここから出せ。」
初めて表情が変わる。
そこに怒りはない。
「フン。いいだろう。精々足掻くんだな。」
手枷が外されていく。
「アンタも随分と回りくどいことをするんだな。」
「何を馬鹿な。貴様が犯した失態のせいで四六時中あの得体のしれない存在に見張られていたんだ。」
「…どこまで知っている…??」
「どこまで、だと?そりゃあ、全てさ。この機会を作るのにもどれだけ苦労したか。これでも期待しているんだぞ?光の戦士様…あぁ、元、だったな。」
この表情はみたことがある。
最近姿をみないが、あの忌々しい女とそっくりだ。
「まったく、俺の家に攻め込むなんてな…アイツらに何かあったらただじゃ済まさねぇぞ?」
「知ったことか。貴様は、私にとって罪人なんだ。生きる可能性があるだけ幸せと思え。」
話ながら先を急ぐ。
「ここからじゃ、走っても少し時間がかかるな…」
「だったらアレを使うといい。」
案内された先には魔導バイクがあった。
「残りの1台しかないが…くれてやる。貴様が成すべきことをさっさとしにいけ。」
「そうか…助かる。ああ、それと、俺を連れてきたアイツらにもよろしく言っておいてくれ。」
「あの二人か。契約が終わった途端にどこかに行ったからな。貴様が自分で伝えておけ。」
さっさと行けとばかり手を振る。
「あぁ、そうだな。」
バイクに跨がり猛スピードで走り去る。
「頼んだぞ…」
父親は、そう小さく呟いた。
----------------------------------