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Meisterin der Träume

Rain Hartret

Durandal [Gaia]

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⭐️読み物⭐️「薫風」(中編)

Öffentlich
商業の街、ウルダハ。
少し埃っぽい、それでいて暖かな空気が佇む街。
商人たちは慌ただしく走り回り、富を持つ者、持たざる者の区別がはっきりした街。
懐かしい。
実際にウルダハにそんなに滞在したことはないが、元々ウルダハの郊外に過ごしていた身だ、街には何度も訪れたことがある。
変わらない風景だなと眺めて歩く。
そこに少しの違和感を感じる。
あそこには大きな木が一本立っていたはずだ、買い出しの手伝いでレインと2人でウルダハに来た時、迷子になったレインが俺を探そうと大きな木に登り、周りの大人たちを驚かせ、そして落ちた。
てへへと照れ臭そうに笑いながら、ようやく見つけた俺のそばに駆け寄り、落ちた時には泣かなかったくせに、駆け寄りながら大きな声で泣いた。
その小さな肩も、抱きしめた温もりも、肌の柔らかさも。
まだ手に残っているような感覚はあるのにその木はもうそこにはない。
変わらないものなどない。
どこか少しずつ変わっていく。
それは寂しくもあり、だが、少しずつどこかに向かって進んでいることでもあるのだ。
俺はどうしたいんだろう。
少しは変わったのか?
力もつけた、冒険者としてならそこそこの働きもできるようになった。カンパニーでも、大きな仕事も、難しい仕事も任せられるようになった。
俺は・・。
「っと、ジェンリンス、だっけか、何だってんだ。いきなり紙切れ1枚残していきやがって。」
頭の中をぐるぐる、ぐるぐる、行き場のない想いが支配しようとしているのを紙切れ1枚残して去っていった相棒への悪態で忘れてみる。
考えていても仕方がない。
特にこれと決めたものがあるわけではない。
まずは動くんだ。
「すみません、ジェンリンスさんという方を探しているのですが。」
手近な露店商に声をかける。
「ああ?なんだって?」
露骨に嫌そうな声が飛んでくる。
危ない危ない。ここは商人の街。
「いいリンゴですね、1つ、いや2つもらえますか。」
「へい、毎度!うちのリンゴは美味いよ、何てったってホウソーンから採ってきた採れたてだからね!」
銀貨を1枚。リンゴの値段より多めの値段を渡す。
「ジェンリンスさんだったか、銀冑団の総長さんだな、せ政庁層にいると思うよ。」
「ありがとうございます、美味しそうだ。」
笑顔でりんごを受け取り、店を後にする。
銀冑団といえば、王国の近衛騎士団だったはず。ウルは何でまたそんなところに俺を行かせようとしているのか。
考えても仕方がない、進むのみだ。
露店で買ったりんごを齧りながら、政庁層を目指す。
そういえば。
と齧ったりんごの甘酸っぱさを口に感じながら、思い出す。
レインもりんごが好きだったな、と。
でかいりんごを1人で食べて、夕飯が食べられなくて怒られていた。
無理矢理に食事を食べようとしてお腹が痛いと泣いていた。
思い出すのはいつもそんな泣き顔。
そして・・・。
想いに耽っていたら政庁層までたどり着いていた。
銀の鎧に身を包んだ男たちが忙しそうに走っている。
その中で一際威厳のあるヒューランがいた。
おそらくあれが。
「すみません、あなたがジェンリンスさんでしょうか」
尋ねると、ヒューランの男はこちらに訝しげな目線を向ける。
「いかにも、私がジェンリンスだが、君は?」
「エルフレッドと言います。あなたのもとへ行くようにと言われて・・」
「ふむ、君は冒険者のようだ。噂を聞きつけてきたのか。」
「噂?」
ジェンリンスは腰の剣を抜き、正眼に構えた。
「いかにも。近衛騎士団の剣の術、ナイトの技を教えているのだよ。」
「ナイトの技・・」
「冒険者も今では大きな戦力だ。我々銀冑団も昨今では力が衰えがちでな、有望な騎士候補生を見つけるためにも一役買っていると言うわけだ。見たところ君は戦士のようだが。」
「はい、特に誰かに師事したわけではないので、ほぼ我流ですが。」
ウルには修行をつけてもらったが、それは戦闘における技術の話だ。立ち回りや、パーティの守り方。重要なことではあるが、それぞれ特化した技術を教えてもらったわけではない。
言ってしまえば、エルフレッドが使う技とは自分で編み出した我流の技でしかなかった。
「どれ、一つ見てやるとしよう、かかってきたまえ。」
「え、ここでですか」
「遠慮はいらんよ、銀冑団団長は飾りではないのだ。」
「わかりました。では。」
言うと同時に腰の剣に手をかける。
そして間合いを詰めようとした時。
ジェンリンスの体が僅かに光った。
「これがナイトの技というわけですか。」
「いかにも。アイアンウィルという。自らの肉体を強化し、敵の攻撃を防ぎ、味方を守るための盾となる技だ。」
見るからに防御力が上がった気がした。
だが、エルフレッドとて、今まで遊んでいたわけではない。
瞬時に間合いを詰め、ジェンリンスへと剣を振り下ろす。
(やった!)
「ふむ、動きは悪くない。だが、まだまだ甘い。」
そう呟いた直後、ジェンリンスの盾が輝いた。
「なっ!?」
言うより早く、振り下ろされた剣はジェンリンスの構える盾に弾かれた。
体勢を崩されたところへすかさずジェンリンスの盾が叩き込まれる。
『シールドバッシュ!』
崩された態勢に容赦なく盾を叩き込まれ。
エルフレッドが気づいた時には自分の首筋にジェンリンスの剣がスッと当てられた時だった。
(速い。そして正確だ。)
「はっ、ははは。一瞬ですか。」
「君は基礎の体力、そしてそれを決断する強さが培われている。」
そういうと剣を下ろした。
「合格だ。」
「合格?」
「ああ、君は私に自分の力を見せた。ナイトの技を教えるに値する実力は持ち合わせている」
趣深く剣をしまいながら、続けるジェンリンス。
「だが、ナイトとなるために真に必要なのは心の強さだ。」
「心の強さ・・」
「そう、自らを盾とし、それでも護るという強さ。ただ守るのとはわけが違う。こちらについては、これからみていくことに・・」
心の強さ。何物にも代えることなく護り抜く力。
「ジェンリンスさん、俺、護りたいものがあるんです。」
想うのは、ただ一つの背中。
泣きべそをかく背中。
そして、
泣き顔の後にいつも見せていた、困ったような笑顔。
できることならば。
その涙を拭いたい。
そして、隣で共に笑いたい。
「ほう・・」
(良い眼だ。護るという意味を理解した強い眼だ。)
「わかった。それではこれを持て。」
渡すは、一欠片の宝珠。
ソウルストーンと呼ばれる、英霊の力を秘めし石。
持つものが持てば、その石は力に変わる。
持たぬものが持てばただの石に過ぎない。
それを手渡した時、ソウルストーンはたしかに輝いた。


「懐かしいな。」
何度も訪れたことがある街。
自分の故郷がどこなのか。どこで生まれたのかは記憶にない。
ただ、少し埃っぽい空気は間違いなく、心を落ち着かせる。
「安いよー、みてってねー」
誰にかけたでもない声、でもなんとなく惹かれて見たのは、そこに赤い果物が並んでいて、甘い爽やかな匂いが鼻腔をくすぐったから。
声の主は露天商で、赤くて丸い果物をいくつもカゴに入れて、大声で呼びかけていた。
「おいしそうなりんご!」
思わず声に出てしまったのは、レインがりんごが大好物だったからである。
普段は、少しでも大人びて見えるように顎を引き、目もなるべく細めている。
だが、赤い果物に注がれた目は、大きく開かれ、声も弾んでしまった。
「お、お嬢ちゃん、わかるかい?うちのりんごはホウソーンから直接とってきたりんごだからね!」
並々ならぬ視線を注がれた露天商も、その屈託のない表情に思わず笑顔になる。
「うん!すごいいい匂いがしてた!」
「ありがとよ!一個持ってきな!今日は馴染みの客からチップをたくさんもらったからよ!」
「いいの?ありがとう!」
もらったりんごを齧りながら街の中を歩く。
たしか、もらった手紙だと「エルフレッドはウルダハにいる」とだけ書かれていた。
タタルさんからもらって、ずいぶんと時間が経ってしまっていた。
それでも会ってみようと思ったんだ。
私の中にはまだ忘れらない人がいる。
それが恋だったのか、ただの憧れだったのかわからない。
それでも、この胸を締め付ける痛みは確実にまだ、あの人がここにいる証だ。
でも、エルも同時に胸の中にいる。
いつだって思い出す、過ごした日々。
空を見ようと決めた約束。
私にとってエルは本当に家族のような、兄のような弟のような、そんな存在だったはずだ。
「英雄レイン」と呼ばれて悲しかったのは何故なのか。
会えて嬉しかったはずなのに、話したいこともいっぱいあったはずなのに。
それを確かめに来た。
誰からの手紙か、わからないまま。
甘いはずのりんごがほら苦く感じられるような感覚の中、街を歩く。
ちょうど、クイックサンドの前に差し掛かった時だった。
「おい、聞いたか?銀冑団の話」
「ああ、今日騎士見習いのやつが向かった先の話だろ?あそこはやばいよな。」
「青燐水で異常化した魔物が発生してるってとこだろ、今まで帰ってきたやつが居ないって。」
なんだか物騒な話になっているな、と聞き流そうとした。
「あのエルフレッドってやつ、かなりの腕だって話だったが、あそこはやばいよな」
その話の中に聞き覚えのある名前を耳にして、
「その話、詳しく聞かせてもらえませんか!!」
背筋に冷たいものが流れ落ちるのを感じた。
《つづく》


あとがき

ずいぶん時間が経ってしまいました。
リアルが結構忙しくて、続きを書くのが遅くなってしまってごめんなさい。。
一応、今回のお話は漆黒編に続くまでの幕間の話となってます。
漆黒はお話がすごくよかったので、(石田さんも出てきたし!)
漆黒編を書くにあたっては、レイン目線ではなく、オリジナルメンバーの視点から書こうと思ってるんですよねー♪そこに通じるお話を薫風では書きたいなと。
もうすぐ暁月も発売されますし、それまでには漆黒編に行きたいなーと思いながら、書いてます!
誰も読んでくれてないかもしれないけど、自己満足なので、大目に見てくださいーww

もし、面白かったらコメントくださると嬉しいです❤️

ではでは、今回はこの辺で♪
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