階段のスロープ併設の有無から思う都市計画の違いに関する私見Mine Chrysanthe
オールド・シャーレアンとイェドリマンの物流経路同じ港街でも、オールド・シャーレアンの物流経路には台車用のスロープが計画的に設けられているが、イェドリマンにはスロープは造られていない。おそらく都市計画時点でスロープを造るかどうかまで緻密に判断が行き届いた前者と、そこまでしていない後者の違いだろう。イェドリマンは都市計画的に造られた街かどうかも怪しい。
サベネア島やラザハンは、住民や利用者側が運用面で独自に街を変化させていくボトムアップの発展を遂げているように見える。オールド・シャーレアンのようなトップダウンの都市計画とは真逆の発展の仕方だ。それ故に住民による土着的な文化の滲み出しが起こりやすい。
そもそもボトムアップとトップダウンの都市計画の違いは、おそらく国の思想・文化の性質の違いによるものかと思う。
オールド・シャーレアンは第六霊災の大洪水から逃れ、また人との争いをことごとく避けたい思想が大儀となって共同体を成したのが国の興りだ。その起点には明確且つ崇高な大儀があり、国の思想や文化は大儀を成すための手段として紐づく傾向が強いように感じる。
一方ラザハンは、エオルゼア・東方地域・イルサバード(ガレマール)と隣接し、中継拠点として交易で人が集まりやすかったことが国が興るに至った一つの背景にあるのだと思う。その過程の根底にあるのは、「地理上の真ん中にあったから」というとても単純だが強力な必然の条件であって、それ故に商人をはじめとする民らの意思の集合として自然発生的に国が興ったのではないかと私は勝手に妄想している。
大儀のための国であるオールド・シャーレアンと、民のための国であるラザハン。大儀がスロープを造らせた前者と、民がスロープを造り損ねた後者。
ものづくりの形ひとつから、人の思いが伺えるのがとても面白い。事実が合っているのかはまた別として。
2022/6/10
Mine Chrysanthe
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