あの時、確かに私は死んだ。彼氏イナイ暦=年齢。アラサー社畜。いや、現実の男になんて興味は無い。私の心の支えは、FF14というゲームのキャラのエスティニアン様。今日は彼も着ているという、ヒートテックを買いに新宿の○ニクロまでお出かけ。
電車を降り、最近改修されて綺麗になった通路を進み、乗り換えの地下鉄階段のところにさしかかったときに、急に目眩に襲われた。
「あ、やばい、これ私、死ぬんじゃ??。。。」
全身の糸が切れてしまったかのように、その場に倒れこむ。
ただ、そこは運が悪いことに階段であり、このままでは、最低でも大怪我、運が悪けりゃ死だ。
頭の中を、これまでの出来事がフラッシュバックする。
ああ、きっと、これが走馬灯というやつなのだろうと思っていたら、薄れていく景色の中で、最後である見覚えのある景色が見えてきた。
海に浮かぶ街。空を駆ける飛行船。そして、エスティニアン様。
リムサ・ロミンサ。ああ、なんで最後に思うのがゲームなのよと、、、そこで私の意識はブラックアウトした。
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意識の覚醒は一瞬だった。
何かの抜け殻に、意識を詰め込まれたような錯覚を覚えた瞬間に、私は目を開いた。
「どこなの、、、ここは、私は生きて、、、?ん??」
自分が生きていることに、ちょっとした奇跡を感じながらも、ある異変に気づいたとき私の表情は驚愕に震えた。
声が、低い。めっちゃ低い。そして、視線が高い。いや、それ以前に、これ人間の手じゃないよね?
頭の中では馬鹿馬鹿しいと何度も、ソレを否定するケド、確信めいたものはあった。
近くの小川で、水面をのぞき自分を確認してみる。
「やっぱり、、、
Pikaちゃんだ。。。」
Pika それは、私がFF14で、遊びでつくったハゲルガだ。
「転生、、、、なの??しかも、FF14の世界??」
ネットでよく読んだ流行の転生モノ。その流行に私はどうやら乗ってしまったらしい。
なら、どうして。
「どうして、メインキャラのヴィエラ♀じゃないのよぉぉぉ!」ピカちゃんは、レベル1の遊びキャラだ。
「これじゃ、私TUEEEE!も、無双も逆ハーレムもできなじゃないのよぉおお!!!」しかも、ハゲルガ。もう一度言う、ハゲルガ。何度でも言う。ハゲルガ!!
これから、私いったいどうなるの?? (つづく?)