「この作品に出会えて良かった。」
読了後の率直な感想です。
私は昔から「ソロ」を好むところがあり、集団の一員になるのが苦手な人間であります。
しかしながら本当に「ソロ」を求めているのか。
心の底から「ソロ」になりたいのか。
人間関係の様々な要因から、人から遠ざかっていく事もあるかもしれません。
楽しそうなFCに入り充実している人を見て羨ましく思う事もあるかもしれません。
私自身も「孤独の大海の波打ち際で、つま先だけをぴちょんと濡らしてみせ、『まったく俺って孤独だぜ』と嘯(うそぶ)いている」面も無きにしも非ずです。
何故私はMMOを選んだのだろう。
幾多の名作オフゲ―があるにも関わらず、何故私は敢えてネットゲームを選んだのだろう。
「俺って孤独だぜ」と嘯いている人間が何故ネットゲームを選んだのだろう。
「好機がやってきたら逃がさない事ですよ」
「漫然と同じことをしていては駄目なのですよ」
「もしその好機を逃がしたとしましてもね、きっといずれは好機をとらえることができましょう」
「焦ることはないのですよ」
小津は何故「私」に纏わりついたのだろう。
明石さんは何故「私」に惹かれたのだろう。
「私」が本当に求めていたものは何だったのだろう。
私に好機は訪れているのだろうか。
私は好機に気付くことが出来るのだろうか。
ひょっとしてもう気付いているのだろうか。
最高のフレンドは実はもう直ぐ隣にいるのかもしれません。
それに気づいていないだけなのかもしれません。
でも私たちはいずれ気づくでしょう。
焦る事はないのです。
「最高のフレンドはもう貴方の隣にいるはずなのです。」
これから新生活を迎える学生の方々に是非お勧めしたい小説です。(アニメ版でも全く問題ないです。)
そして学生生活を終えてしまった人達にはこの小説を読んでかつての学生生活を懐かしんでもらえたらと思います。
その学生生活でおそらく感じるであろう又は感じたであろう「実益のあることなど何一つしていない学生生活」がいかに重要で大切なのか又は大切であったのかをこの作品に接して感じて貰えたらと思わずにはいられません。
そして私自身、高校時代にこの小説に出会えていたら、京都大学を目指したい気持ちになっていた事はやぶさかではありません。
BGM:ASIAN KUNG-FU GENERATION「迷い犬と雨のビート」
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>クラインさん
「四畳半神話大系」、原作は未読なのですがアニメ版にはリアタイで大いにハマりまして、BDなど買ったりもしましたね。
そこから時間を空けて、同じく森見さん原作で劇場アニメ化された「ペンギン・ハイウェイ」を見て、森見さんが同郷者であり、自分が長らく言語化しようとしてできなかったナラ(奈良)ティブな部分を語ってくれていたのに気付いたのですよね。
そこから逆算して森見さん自身に興味を抱いて、作者のファンになりました。
「文藝別冊 総特集 森見登美彦 作家は机上で冒険する!」
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309979625/デビュー15周年を機に刊行された森見さんファンブックなどを購入してみたり。
京大コンプレックスはシンエヴァ見たところでもあるので、分かりみが深いですね。
関西の進学校にいたので親しい友人も京大受かってたりと、そのコンプレは不可より深く…笑。
社会人になってから京大出身の人々と運命的に出会って人生を変えることになるので、京大との縁も因果なものです。