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Makai-Astrologe

Tohgen Akishima

Carbuncle [Elemental]

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とあるパッパの奮闘記~出陣編~

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 翌朝。手早く朝食を済ませ、裁縫セットに手を伸ばしたフルシュノ。糸通しも難なくこなし、練習用の布に針を通していった。最初はどうなることかと思ったら、案外順調に進んでいることに少しだけ気持ちに余裕が生まれた。ぐるりと一周縫い終わり、最後に玉留めを行い縫い目の確認をすると、昨日よりは綺麗に縫えていることに自画自賛をし、材料を揃えるためマーケットへと足を運んだ。
 朝早くとはいえ、マーケットはたくさんの人で賑わっていた。あっちでは果実、こっちでは武具など種類も豊富だった。フルシュノがいたオールドシャーレアンではこのような活気はあまり見かけたことがなかったためか、フルシュノは新鮮さを感じながら布を扱っている店主に声をかけた。
「すまない。服を作る材料を探しているのだが……」
「へい、いらっしゃい。今日も数多く入荷していますよ。好きなだけ見て行ってください」
 小柄な店主はそういうと、今日仕入れた物をずらりと並べた。手触りの良い布や、少しざらついた布、つるつるした布など様々な物を実際に手に取り確認していく。最終的には手触りの良い布を適当な長さで裁断してもらい、見合った金額を支払い店を後にした。
「まいどあり! 今後ともご贔屓に!」
「ああ。ここはたくさんあって目移りしてしまうな。あ、いや。嬉しいという意味でだな……」
「へへっ。そう言って貰えると仕入れた甲斐があったってもんです。あ、これはサービスしておきます」
 そう言って店主から小さな花をモチーフにした飾りを受け取った。用途が分からないフルシュノは店主に何かと尋ねると、これは社交の場で女性が身に着ける「コサージュ」というアクセサリーだと教えてくれた。
(これも何か参考になるかもしれんな……)
 フルシュノは再度店主にお礼を言い、裁縫師ギルドにある自室へと戻ることにした。

 ギルドに戻ってきたフルシュノは、材料を眺めながらどういった物を作ろうか考えていた。せっかく手触りの良い物を購入したのだ。何かそれに相応しい物とは……と考えを巡らせていると、さっき店主から貰ったコサージュという花の飾りに目が留まった。しばらく布とコサージュを交互に見ていたフルシュノは頭に何か小さな電気が走った感覚を覚えた。
「……ウエディング……ドレスとか……?」
 昨日針を握ったばかりの人間にドレスなんて作れるのか……少し(かなり)不安を感じつつも、まずはやってみないことには始まらないと自分に喝を入れ、まずはトルソーに布をあててサイズを確認していく。このくらいかというところに待ち針を刺し、形が崩れないようにし再度トルソーに合わせていく。ある程度の目星がついたところで、いよいよ裁断。きっちりとした計測方法はわからないまま、思い思いに布を裁断し、それらを繋ぎ合わせていく。さっきまで一枚の布切れだったものが、徐々に組み合わさり一着の晴れやかなドレスへと変わっていく様子を、フルシュノは心の中で楽しんでいた。わざとたるみを持たせたり逆にぱりっとしたり自分のアイデア次第で好きなようにアレンジできる楽しさを実感していると、背後から大きな悲鳴が聞こえた。
「きゃーー! しゅ……シュノむん……!」
「その声は……む……ムーン……さん……」
 普段「さん付け」で呼んだことがないフルシュノは少し抵抗感を感じながらも、必死に「さん」を付けて呼んだ。振り返ると、両手で口元をおさえたイエロームーンが目を潤ませながら立っていた。そしてよく見ると小刻みに震えているのも見て取れた。
「ど……どうかしましたか……」
「しゅ……シュノむん……まさかそんな……」
 涙を拭いながらなにやら独り言を言っているイエロームーンにゆっくり近付き、なぜ泣いているのかを尋ねるとイエロームーンは鼻をすすりながら答えた。
「まさか……シュノむんがムーンちゃんのためにドレスを作ってくれたなんて……あぁ……」


(ちょっと待てちょっと待てちょっと待て)


 フルシュノは未だかつてない速度で脳内突っ込みをした。誰がいつあなたの為だって言ったか……昨日、ここへ来たばかりなのだが、そう言った記憶は欠片はなかった。だとすれば、なにか勘違いをしているのだろうかと再度イエロームーンに尋ねると、イエロームーンはえへへと悪戯っぽく舌をぺろりと出しながら笑った。
「えっへへ。冗談だむん! もぅ、本気にしちゃったむん?」


(ここで大きな声を出せばどれだけ楽だろうか……いやそれはいかん……でも!!)


 脳内で格闘をしている間、イエロームーンはフルシュノが作ったウエディングドレスの出来を確認した。すると、そこでもまた大きな声をあげ喜ぶイエロームーンがいた。その声に正気を取り戻したフルシュノは一体何事かと声を荒げるほんの数秒前にイエロームーンがそれを遮った。
「シュノむん! すっごい! 縫い目もほとんど見えないのにしっかり縫えてる! それにお洋服のメリハリがついててとっても鮮やか! 本当に初心者が作ったとは思えないできだむん!!」
 まるで見ていたかのような的確な箇所を褒められ、フルシュノは頬を赤らめた。他にもフルシュノが工夫をした所を見抜いて褒めちぎるとフルシュノはもう何も言えなくなってしまった。
 一通り褒め終わった所でイエロームーンは満足したのかほくほく顔なのに対し、フルシュノは完全に顔が赤くなってしまい何も発することができなくなっていた。ようやく言えた一言はといえば「外の空気を吸ってくる」だった。
 最初に外に出たときは綺麗な青空だったのだが、今はすでに日が暮れていた。マーケットにいた人たちも朝ほどではないが人通りはあるものの、いくつかの店は今日の営業を終えていた。
「そうか……もうそんな時間が経過していたのだな……」
 時間を忘れて何かに没頭したのは……これが初めてなのか。あったとしても、今はそれを思い出すことができないくらい、満足感に浸っていた。自分が作ったものをあそこまで喜んでくれたことなんて一度もなかったフルシュノにとって、イエロームーンがあれこれ褒めてくれたことに充実感も交じっていて「また何かを作ってみようか」と創作意欲が僅かに芽吹いていた。軽く伸びをし、裁縫師ギルドの中へと戻ると、さっきまであったあるものがなくなっていた。おかしいなと思い、フルシュノは自分の部屋を何度も確認したが、見つからなかった。まさかと思い今度は裁縫師ギルド内をくまなく探してみてもやはり見つからなかった。さっきまであったものがないとすれば、誰かが持って行ってしまった可能性もあると思い、裁縫師ギルドの受付に聞いてみた。
「あ……あの。すみませんが……さっきここを誰か通りませんでしたか?」
 すると、受付の女性はにこやかに笑いながら答えた。
「はい! さっきギルドマスターが通りましたよ。なにやら嬉しそうな様子でした」
「なにか……何か手にしていたとか……」
「えっと……確かドレスのようなものを着せたトルソーを持ってました」
 間違いない。それはフルシュノが作ったドレスだ。今度はそれを持ってどこへ行ったかと尋ねると、受付の人は少し困った顔をしながら「わからない」と答えた。その瞬間、フルシュノはがっくりと膝を落とした。なぜ何も言わないで持って行ってしまったのか……このとき、フルシュノは初めてギルドマスターを憎んだ。なぜ製作者である自分になんの断りも言わずに持って行くのか……それはギルドマスターだから何も言わないでもいいだろうという気持ちがあったのだろうか……もし、そうだとしたらこれはさすがに我慢ができない。フルシュノは気を取り直し、何か手掛かりがないか探してみることにした。


 数時間後。どこにも手掛かりがなく諦めて体を休めようとしたとき、出入り口からあの間延びした声が聞こえた。フルシュノはすぐにその声の主の元へと駆け寄り、問い詰めた。
「あ、シュノむん。やほー」
「やほーじゃないです。わたしが作ったあのドレスを無断でどこに持って行ったのですか?」
「あ……ごめん。ムーンちゃんったらあまりに嬉しくてシュノむんに何も言わずに……ごめんなさい」
「それはギルドマスターだからですか……?」
 次第に声が震えるフルシュノ。それに気が付いたイエロームーンは必死に否定をし、あれはイエロームーンが嬉しくてつい勝手に持ち出してしまったということだった。そして、その持ち出し先はどこかと聞くと……。
「ウルダハにあるゴールドソーサーだむん。今度、そこで行われるファッションショーにシュノむんのあのドレスを出したむん」
「がっ?! ゴッ?!」
 ゴールドソーサー? それにファッションショー?? 一体どういうことだと聞く前に、フルシュノは呼吸が上手くできなくなり、口を開けたまま気絶した。
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