星戦士団の監視所を立ち去る前に皆に話を聞いてくるぜ。
ナブディーンには情報のお礼とヴァルシャンを1人で来させなかった事に対する礼を言われた。
この人本当にヴァルシャンの事を心配してるんだね。
今後、ヴァルシャンを守って死んだりしそう。死ぬなよ。
ヴァルシャンって愛想無いのか。確かに割と無表情かもしれないけど美少年だから問題ない。
ナブディーン以外は会話が変わらなかったから去ろうか。
ギガントガル採石場に行くのに自分のチョコボじゃダメだった。
この子初めて人を乗せて息が上がってたのに大丈夫か?
何か帰りたくて仕方ないらしいぞハンサ。
前は自動移動だったのはヴァルシャンが案内してくれてたからなんだね。
今回は自分で移動しなきゃならないらしい。じゃあ自分のチョコボでいいじゃん??
さっきから気になってるけどめっちゃ大股開きで乗るからスカートだとパンツ見えるね。
道なりに東に進めば行けると言われたが、まず道に戻れないんだ。方向音痴を舐めないでほしい。
採掘師に着替えたらめっちゃ岩場があるから降りたくなった。降りたらまた戻らなきゃならないから我慢した。
目的地に着いたらハンサはいなくなった。
採石場の人に話を聞いたら重労働で朝早くから晩まで働いてるって言ってた。
親子二代で採掘師やってる人もいた。
ゼイヌハに話しかけた。
見学者と間違われたけど石を買いに来たんです。
デミールからの使いだって言ったら態度変わった。
すぐに上等な巨人石を出してくれるって。塔の解決はこの島の人達の最優先事項なんだね。当たり前か。
本当にすぐに出してくれたし、錬金術師達に応援してるから足りなくなったらまた来るようにと伝言も貰った。
石も無料提供なんだな。
そしたら心配しなくても石の代金は太守が出してくれる事になってると言ってた。
なるほど、無料じゃないならいいわ。太守金持ちだな。
国庫から出すのかポケットマネーなのかは知らんけど。
意外と用事早く終わったし、デミールにテレポしないで採掘師に着替えていいよね。
白目鉱しか採れない……ギガントガルは採れないのか。
園芸師の草刈場もある。サベネアンパプリカとサベネアンペリラが採れた。
どちらも食材だから手帳埋め以外には使い道無さそうだな。
白目鉱の方が使い道多そうだしこれ採りながら帰ろう。
この辺りキリンがいっぱいいるわね。
デミール戻ったらサブクエが死ぬほど増えてた。
ニッダーナに持ってきたギガントガルを渡した。
護符が完成するまでは私は暇らしい。しばらく休憩してくれと言われた。
完成してからが本番だものねって。分かったよ。
ムビ。集落の人達を眺めながら水場へ向かう。
サンクレッドの声がしたら他の2人も来た。
皆、一区切りついたんだね。
ここの錬金術師達は護符を完成させようと気迫に満ちてる。
サンクレッドは錬金術には明るくないのか。あの様子だと完成間近なんじゃないかと聞かれたから頷いた。
ニャンはかなり疲れたみたい。
ウリエンジェが話す。
エオルゼアでも東方でもサベネアでも人々は塔に抗おうと頑張ってる。
でも脅威をもたらしてるテロフォロイも同じ人。
「生を望み明日を繋がんとする人と、死を謳い終わりを求める人が、せめぎ合っている……」
ウリエンジェはこの戦いによって人という種は生きていけるのかと問われているようだと話す。
まあ人間いない方が地球の為にはいいんだよなーという事は昔から考えてる。
サンクレッドはお前らしい、なら勝敗は紙一重になるかもなって言った。コイツ割と深い事は考えないんだな?
ファダニエルの周りを巻き込んで傷付けて苦しませて死にたいという願望は到底認められるものではない。
でも誰だって底の底にいる時は似たような事を思った事あるんじゃないか?とサンクレッドは尋ねた。
サンクレッドは深い事考えてないって言ってごめんな?
そいや君も色々あったんだよな。
「何もかもが疎ましくなって、どんな慰めも胸に届かない夜がある。それをどうにか飲み下して生きちゃいるが……」
「うまくやり過ごせない時もある。なまじ知性のある種族ほど、な」
ニャンが後を引き継ぐ。
感情が無ければこんなに苦しくないのにって思うよね。
考えられるからこそ、そういう思考が浮かぶのなら思考すら出来ない生物だったら良かったのにって。
早く殺して、早く死にたいって何度も思った。
ニャンは復讐もファダニエルの願望と同じだって言う。
相手が絞られてるだけで苦しみの沼の底で他人にも破滅を願うから。
ヨツユのやってた事は対象がドマの人達という割と集団だったけど復讐だったんだよね。
でも1番復讐したいのはアサヒと義理の両親だったからどんなにドマの人達を苦しめても多分報われる事は無かった。
最後の最後で復讐を達成したけど結局残るのは虚しさしか無かったと思う。
復讐は何も生まないからな……。
それでも最期に思い出したのはゴウセツが柿を美味しく食べられたかどうかだったから、ツユとして生きた時間とあの瞬間だけは幸せだったのかもな……。
必ずしも生きる意志が勝つわけじゃないし、その逆もある。
そのせめぎ合いは大抵過酷で際どいとサンクレッドは話す。
でも大抵の物語は生きる方に傾くのよ。
ゼノス君の物語はおそらく死ぬ方に傾くけど。
ただ、ゼノス君の望みがヒカセンとの最高の再戦で、例え負けたとしてもその戦いに満足したらアイツは自刃してでも死ぬ。
それはもう紅蓮の時に1回やってるし、ゼノス君が死ぬにしてもこの方法はもうやらないと思う。
だってあれ綺麗な死に方だもの。ここまで来たならゼノス君は多分綺麗な死に方はしない。
激しい死闘の末にヒカセンに殺されるなんてゼノス君にとって最高の死に方だから、おそらくそれは無いと思ってる。
二番煎じになるもの、同じネタはやらないでしょ。
ゼノス君一体どうやって死ぬんだ……あまり私の情緒にダメージを与えない死に方をして欲しい。
ウリエンジェは人がかろうじて生きるに足る事を願うって。そうだといいね。
サンクレッドも同意見らしい。1人じゃないなら勝率も上がる。復讐の竜騎士もここにいるし。
ファダニエルがいた。何かしに来たの?
追いかけたけどもう消えてた。
サンクレッドにどうかしたのか聞かれたからファダニエルがいたと答えた。
自機としてはファダニエルに似た人なのか。いやあれ本人でしょ。そんなに似た人がいてたまるか。
塔への対策を講じてる事はアイツ知ってるぞ。
錬金術師達の声が聞こえる。護符が完成したみたい。
護符割と小さいなと思ったけど、持ってるのがゾウさんのニッダーナだからそう思うのかな。
護魂の霊鱗(ごこんのれいりん)と名付けられた護符はエーテル放射による精神汚染から守ってくれる。
ウリエンジェが素晴らしい、歴史を変える発明だと褒めた。
試験には耐えたけど本番に耐えなきゃまだ褒められる事ではないと彼女は答えた。
本番とはゾットの塔にこれを持って近付く事。
私が呼ばれたのはこの為で、ニッダーナと共に塔に近付く。
霊鱗が効果があれば問題は無いけど、もしダメでニッダーナが精神汚染を受けたら捕まえるなり倒すなりしてほしいと彼女は言った。
倒すのはダメです。
選択肢が出た。
「そうならない事を願ってる」←
「その程度、どうとでもなる」
どうとでもなるってどういう意味だろ。簡単に倒せるって事かな。
「ありがとう……来てくれたのがキミで良かったよ」
ニッダーナが微笑んだ。
他の錬金術師達がニッダーナを心配してる。
ニッダーナは自分達の作った物を信じないと、曲がりなりにもまとめ役なら尚更そうしなきゃって言った。
「だけど、もし……もし失敗したら、その経験をどうか次に。アタシ達の錬金術にかけて約束よ」
……根っからの研究者だな、ニッダーナ。
失敗してもその経験を無駄にしないで、悲しくても研究の為には立ち上がって欲しいって最初から言うの。
失敗してほしくないけどフラグ立ってる気がする。
うーんでも試験は成功してるんだから本番も多分大丈夫だと思うんだよな。
あとは回数制限があったとしたら、試験でもう回数制限に達してしまって本番は防げないとかあるかもだけど、そんなの錬金術師達も織り込み済みで開発してそうだし。
やってみないと分からないよね、ゾウさん大丈夫よね。
我々が出かけてる間はサンクレッド達がデミールを守ってくれるらしい。
牧場跡の兵士に船を用意してもらって私とニッダーナはゾットの塔へ向かう事になった。
あそこ塔の目の前だったものね。やっぱりあそこから塔に向かうのか。
小舟で向かった兵達が精神汚染されて舟の上で殺し合ったって話を聞いたばかりだし不穏だなー。
海岸に着いたら舟が用意されてた。
そう言えば泳いで近づいてなかったなって泳いでみたけど途中から進めなくなった。
地図に線が出てたしここから先は近付けないという事らしい。
ニッダーナに話しかけて出発しよう。
彼女が精神汚染を受けたら手加減なんてしなくていいから絶対に自分の身を護ってねって言われた。
失敗した上に光の加護を持つ私も傷付けたとなったらニッダーナも後悔しきれないから約束してほしいって。
そうならない事を本当祈るよ!
ニッダーナも緊張してるのね。行こう。
舟でゾットの塔に近付く。
エーテル放射の圏内に入ったら光り出す護符。
ニッダーナの周りにバリアが張られる。ちゃんと防げてるみたい。
私も平気なので塔の前までこのまま進む事になる。
何度かニッダーナにバリアが張られてエーテル放射を防いでる。
このまま塔の入り口まで進めたら実験成功。
塔に近付くニッダーナ。後からついてく私。あと少し。塔の入り口に着いた。
ニッダーナが笑う。これで実験は成功。護符には皆を護るだけの力があると。
よし!じゃあすぐ帰ろうか!こんな気持ち悪い所に長居は無用だよ。
量産したら塔の本格調査も可能だよね。早く皆の所へ戻ろう。
塔の中から突然紫の鎖が伸びてきてニッダーナを捕まえた。
そのまま塔の中に引き摺り込まれる。
あっという間の出来事だった。
……そうだよ、アルカソーダラ族は塔に近付いちゃダメなんだよ……捕まるから……。
塔の中に走っていくと、ゾウさんがいっぱい捕まってた。
前に超える力で見たアマルジャ族と同じ。
ニッダーナはまだ生きてた。まだ壁に取り込まれてなかった。
空中に浮かんで鎖に囚われたニッダーナの前にファダニエルがいる。
ニッダーナは抵抗しようとしたけど鎖は全然解かれない。
「はいはい暴れない。足とかぶつけると痛いですよ」
ファダニエルがニッダーナを壁に近づけさせる。
壁に取り込まれる寸前のニッダーナがこちらを見た。目があった。むごい。
ニッダーナは壁に取り込まれた。
彼女のポケットから落ちた護符をファダニエルが拾った。
人の手に持つと割と大きかった。
「残念。一足遅かったですね」
私の走るのがもう少し早ければ……プロトン炊けるジョブで来れば間に合った?
ファダニエルは護符を見て「あれと同じか」と呟いてる。あれって何さ。教えてくれ。
睨まれてるって言ったけどそりゃ睨むでしょ、中の人は泣いてるけど。
ファダニエルの昔の客はこういうのを見せると猿みたいにキャッキャッと喜んだらしい。
それはそれで不愉快だったみたい。
昔の客って誰よ。あと貴方の昔って何さ。ファダニエルだからアシエンだよな?アシエン、あまり趣味の悪い事をしないよね。
再現されたアーモロートで見た古代人も、エメトセルクの語った古代人も、頭が良くて知識があって議論が好きで、間違ってもこういう趣味の悪い見せ物を楽しむような人達では無かった気がする。
どちらかと言うとシャーレアンの人達に近いよね。知識を集めて議論を楽しむ人達。
ファダニエルの昔の客のアシエンはまた違った考えを持つ人達だったのかな。
選択肢が出た。
「……昔の客?」←
「お前は一体何なんだ」
昔の客について聞けるのなら聞きましょう。
ファダニエルが護符を放り投げた。それ大事な物なんだから捨てないでよ、こっちに渡して。
優雅に礼をしたファダニエルが自己紹介。
アシエン・ファダニエル。転生組のアシエン。それは知ってる。
終末の災厄が起きた時にファダニエルの座についてた男の魂を継いでいる。転生組だから本人では無いのよね。
「理論上はね」
実際は違うの?
ファダニエルは、「私」は「私」として生まれて時を過ごしてたと語る。
転生組って元々持ってた魂の記憶もあるの?
オリジナルは乗っ取った肉体を作り替えるけど、あれは魂が肉体に残ってないから魂自体は本人の物なんだよね。
転生組は違うの?魂が混ざり合ってるって事?
アシエンに加わる事になって「昔の」ファダニエルの知識も貰ったけど自分の事だとは思えなかったと語るファダニエル。
前世の記憶みたいなものかな。
ラハ君の場合は本人の魂との融合だから水晶公として生きてた記憶も、今のラハ君と違和感なく融合してたけど。
この辺りの解釈が割とまだ出来てないんだけど、水晶公の記憶を持つラハ君で、本人自体は違和感なくその記憶を受け入れてて自分の事だと思ってるけど、ファダニエルは違うって事?
ラハ君の言動見てるとベースは水晶公のような気がするんだけどな。
水晶公はラハ君の未来の姿だから。過去のラハ君というか現在時間軸のラハ君の人格はおそらく消えた。融合されてメイン人格はおそらく水晶公として生きた方が残った。
だから、グ・ラハ・ティアとしてハロウィンイベントで幻想出来るラハ君は新生で出会った姿なのかな……。もう会う事の出来ないキミと会えるのがあそこしかない。
記憶と魂の関係と研究については難しいってベークが言ってたけど、水晶公とラハ君の関係について誰も説明してくれないし、本人も暁の新人ラハとしてよろしくって言ってたし、よく分からないままなんだよな。
1番分かりやすいのはキャス変かな。キャスト変更。
グ・ラハ・ティアの役者は初代から2代目に変わりました。
という認識に落ち着かせて私はメインを進めてるんだけど、たまに解釈違いにうるさいオタクが出てきて精神が大変な事になります。
今もファダニエルの台詞のせいで大変な事になりました。情緒がおかしい。
お前、こっちは護符のテストに来ただけなんだぞ?
横道に逸れまくりだよ。
ファダニエル、アシエンになる前の自分の名前を教えてくれるらしい。
転生組にはやっぱり本来の名前があるんだな。
捨てた過去とファダニエルは言ってるけど。
アラグの遺跡調査でも活躍してたのだろうとファダニエルに言われた。
……今ラハ君の事を思い出したタイミングでその話をするのやめてくれます?
情緒がジェットコースター過ぎる。
「なら、ご存知かもしれません。私の旧い名は……アモン、と申します」
びっくりしすぎて涙引っ込んだ。
アモン!?アモンってあのアモン??
シルクスで毎回ぶっ殺してるアモン!?!?
カエルにしたり、ミニマムにしたり、氷の塊にしたり、終末の何たらで氷の影にいないと死んじゃうギミックのアモンなの??
知ってるなんてもんじゃないよ。アラルレ毎日やってた頃毎日会ってたわよ。
親の顔ほど見たアモンがファダニエルなの!?
超える力が発動してた。
かつて繁栄した国があった。
誰も不自由なく暮らして満たされてた。
だから病んだ。
アモンを天才だと褒め称えるアラグ帝国の貴族。
あんな面白い実験がどうやって思いつくのか聞く。
目が覚めたら牛の頭にされていて大慌ての人がいたらしい。喚いても出てくるのは汚い鳴き声ばかりだったってこの貴族は喜んでる。
なるほど。趣味の悪い実験を見せて猿みたいに喜ぶ人種ってこれか。
友人達と大笑いしたらしい。笑い事じゃないと思うけどね。
アモンが心血を注いだ研究は価値の分からない者に娯楽として消費される。
人々は常に刺激を求めて病んでる。
アモンはこの国を変えようと始皇帝を甦らせた。
国は再び活気を取り戻して、外へと栄華を誇ったけど、陛下だけが満たされなかった。
アモンって皇帝だったんだっけ?全然覚えてない。
ちょっとアラグ帝国の年表と歴史を簡単にまとめて教えてくれないかな。
こっちは色々忘れてるんだよ新生の頃の話は!
陛下、ザンデだった。貴方も親の顔ほど見てる。
ザンデはアモンに覚えておけと話す。
果てまで覇を唱え、どれほどのものを得ようとも、死は全てを無に還す。
ザンデは何もかも無だ、と言ってた。
エメトセルクだ。
アモンにこの戦いは皇帝が負けるから召し上げに来たと伝えてる。
エメトセルク、一般的なアシエンの格好をこの頃はしてたんだな。
顔を仮面とフードで隠して黒尽くめのローブを着てる。
アモンの知識と技術はやり方はどうあれアシエンも一目置くほどだから。
アモンが就くべきファダニエルの座も丁度空いてるからみすみす国と心中させるくらいなら同志として迎え入れるとエメトセルクは語った。
アモンにとっては余計なお世話じゃないのかな。
「クリスタルタワーの方にはお前のクローンでも送っておけ」
あのアモンってクローンだったんだっけ?
クリタワのつよニュ、ここに来て完全に必要になってきたんだが??
この先に何が待つのか確かめるがいい……エメトセルクの言葉で回想が終わった。
栄華の終わりを見てアモンは陛下が正しかったと知った。
何を得ても全部終わる。
生きるのは無くなるまでのただの過程。
だからアモン……ファダニエルは死を望むのか。
最高の終わりを迎える為に。
なるほどゼノス君と同じだわ。
超える力終わったらファダニエルが消えてた。当たり前だな。
私が回想見るの終わるまで待っててくれるなんて割と律儀だな。
私を攻撃したら死んでたのに。
獣人は蛮神を生み出す為の貴重な資源だから簡単には殺さない。
ただ無理に引っ張ると死んでしまうから仲間と頭をひねれ。
多分自機、引っ張ると死ぬ事を知らなかったから親切だな、ファダニエル。
こんな末端の塔ではなく大元の方で殿下と待ってると言葉を残してファダニエルの気配は消えた。
殿下ってゼノス君よね。
ニッダーナの顔を見たけどここで出来る事はもう何もない。塔を出るしか無い。
舟を待ってた兵士にニッダーナの事を聞かれたから事の顛末を話した。
実験が成功したのにあんまりだって言われた。
本当だよ。もう情緒がめちゃくちゃだよ。
兵士は監視所の仲間と太守に報告してくれるらしい。私はデミールに戻れって。そうします。
デミールに戻ってサンクレッドに話しかけたらただ事じゃない様子だと分かってくれた。
どんな顔してたんだろう。
ファダニエルのした事を教えたらサンクレッドも怒ってたけど、現状で闇雲に突っ走ってもニッダーナ達の命を危険に晒すだけだから、堪えて戻ってきたのは正解だって。
そうだね。
その為に暁と仲間がいるから対策を立てようって。
対策を立てるなら皆に話さなきゃならない。
ウリエンジェとニャン、それからここにいる錬金術師達に。
サンクレッドが皆を集めてくるから話すのは私に頼みたいって。
自分の英雄譚みたいなのを話すのは嫌だけどあった事を話すだけならいいよ。ニッダーナまだ生きてるし。
皆に話した。
ニッダーナは塔に吸い込まれたけど、まだ生きてるのかと確認されたから頷いた。
ファダニエルも貴重な資源だから簡単には殺さないって言ってたしな。
「だとしたら私達は、作ろう、一つでも多くの『護魂の霊鱗』を」
ニッダーナや他に捕らえられた者達を救う為には護符が沢山必要。
それを作れるのは、量産出来るのは錬金術師だけ。
錬金術師である彼らに今出来る1番の方法は護符を1つでも多く作る事。
こんなん泣くだろ……。
それに悲しい事があった時に没頭出来る仕事があるのはいい事でもあるのよね。悲しみを一瞬でも忘れる事が出来るから。
それがニッダーナや皆を結果として救う事になるなら尚の事。
ヴァルシャンが来た。彼は監視所にいたからそこの兵士から事情を聞いたらしい。
ヴァルシャンは錬金術師達に太守の宮に直接繋がるリンクパールを渡した。
護符の量産に必要な物や他の工房への伝達方法について一度話したいらしい。
太守は私達にも話があるらしい。
ニッダーナは塔に向かう為の小舟を貸し出される時に私達のお陰で有力な試作品が出来たとデミールを代表して報告をしていた。
それが太守に伝わってて私達に一度会いたいらしい。
ヴァルシャンは今後の展望を話すにはいい機会だと思うと言ってる。
太守、信用出来るのかまだ分からないし、一度会うのはいいと思う。
ヴァルシャンと一緒にラザハンの都に行くわ。
ところでラザハンに行けば紫貨交換出来る?
サンクレッドが太守と連携取りたいし行くと返事をした。
ラザハンの都はギガントガル採石場の先にある関門の向こうにあるらしい。
遠くない??
まだ飛べない状況でこの距離はキツいね。
2022年3月19日⑥