Charakter

Charakter

Meisterweberin

Yaduru Shira

Shinryu [Meteor]

Du hast keine Verbindung zu diesem Charakter.

Erlaubnisanfragen

Um diesem Charakter zu folgen, ist eine Erlaubnis erforderlich. Möchtest du eine Erlaubnisanfrage stellen?

  • 2

【ワシのヒカセン冒険記】第14話【FF14二次小説】

Öffentlich
■あらすじ
帰るべき場所。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【Lodestone】、【Pixiv】で多重投稿されております。

Twitter■https://twitter.com/hisakakousuke
Blog■https://sakatatsunorou.blogspot.com/
Pixiv■https://www.pixiv.net/users/2277819

第1話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4661663/
第13話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4731883/
第15話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4759177/
番外編その1→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4752485/

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇





ワシのヒカセン冒険記 第14話


「双蛇党から報酬も受理しましたので、依頼はこれにて完遂、と言う事になりますね」

 事情により冒険者業にまで中々手が回らないと言うエレット殿だが、それならばとフリーカンパニー【オールドフロンティア】では契約周りの仕事を少しずつ任せるようになりつつあり、今回も依頼主である双蛇党との橋渡し役として活躍して貰っていた。
 場所は森の都グリダニアのカーラインカフェ。いつもの席に陣取りながら、若葉の冒険者が銘々に騒ぎながら冒険に繰り出している様子を背景に、ワシらは軽食を摘まみながら報告会を催していた。
 綺麗に纏めた書類を捲りながら、エレット殿はワシに視線を投げると、「報酬はカンパニーボックスの方へ納品しておきましたので、後ほどご確認頂けたら」と、恭しく頭を下げた。
「相分かった」コクリと首肯を返す。「エレット殿のお陰で手続きが滞り無く進んで助かっておるよ。誠に感謝致す」
「冒険者としてお力添えできない分、このぐらいはお任せください」ふんわりと微笑むエレット殿。「双蛇党からは、また次回も依頼をお願いしたいとの事でした」
「信頼関係はバッチリ、ですね!」サクノ殿が嬉しそうに笑いかける。「あんまり信頼され過ぎて、大きな仕事を回されても困りますが……!」
「冒険者冥利には尽きますけれど、報酬と見合わない依頼が出されるようになったら怖いですよね……」いつもの青い豚の着ぐるみ姿のユキミ殿が不服そうに溜め息を漏らしている。「例えば……蛮族の拠点を私達だけで叩けー! とか……」
「或いはガレマール帝国に単身突っ込め! とかですかね……」顎に手を添えて考え込むクロス殿。「流石に御免被りたいですね……」
「そういうのは全部よその冒険者に任せて、ウチは壺を売ったり、奴隷を捕まえたりにしよう」うんうんと首肯を始めるツトミちゃん。「アレだよ、面倒なのはポイしちゃって、簡単な奴だけしてお昼寝メインのフリーカンパニーにしよう!」
 サクノ殿、ユキミ殿、クロス殿の表情が途端に明るくなったのをワシは見逃さなかった。
「良いですねそれ! お昼寝メイン……! 後は三食付けば完璧……!」サクノ殿が嬉しそうにブンブン首を縦に振っている。
「日がな一日お喋りをして過ごすのも良きですね! ゴロゴロダラダラ最高……!」心なしか豚の被り物の瞳が輝いているように見えるユキミ殿。
「おやつのコーヒークッキーなら任せてください、すぐに作り置きしますから!」グッと親指を立てて肯定の意を示すクロス殿。
 そんな三人に、ツトミちゃんも満足そうにうんうん頷いて、「それでこそウチのフリーカンパニーだね!」とにっこり笑っている。
 ワシとエレット殿はそんな四人を眺めながら肩を竦めて苦笑を見せ合うのだった。
「あともう一つご報告が」コホン、と咳払いするエレット殿。「今回の依頼の完遂を機に、グリダニアの冒険者居住区、ラベンダーベッドに拠点を構える許可が得られたようです」
「拠点を構える、とな?」話がするりと理解できずに小首を傾げてしまう。「と言うと……?」
「フリーカンパニー【オールドフロンティア】の拠点……カンパニーハウスの建造を許可する、と言う事ですね」エレット殿が一枚のチラシをシュラウド・ラウンドテーブルの上に広げると、そこには自然豊かな居住区が再現された絵図が映し出されていた。「グリダニアが管理する冒険者居住区にラベンダーベッドと言う場所が有りまして、ここでは一定の評価を有した冒険者が拠点を建造する事が出来るんです。人によって事務所にしたり店舗にしたりと自由度が高めの代物のようですね」
 チラシには「夢のマイハウス! Sサイズ5等地300万ギルから!」と大きく明記されている。三百万ギルなど、中々手が出せる価格ではないが、家……家か……
 ワシが思ってた以上にチラシを凝視していた事に気づき、思わず咳払いしてしまう。
「爺ちゃん、お家欲しいの?」率直にツトミちゃんが尋ねてくる。
「ぬ。……まぁ、何じゃ、その……」再び空咳を挟む。「……まぁ、…………欲しいのぅ」
 エオルゼアに来る前のワシは、その魂が擦り切れる直前まで屋根の有る生活ではなかった事は、既に思い出している。
 雨風に打たれ、ひもじい想いをしながら、それでも懸命に生き繋いでいた前世に想いを馳せる度に、ここでは――エオルゼアでは少しでも恵まれた生活を送れたらと考えない訳が無かった。
 今まで宿屋を転々として生活していた身として、帰るべき家が有ると言う感覚は、まさに得難きものとして映った。
 けれど……ワシ個人の感傷だけで、そんな大金を使う訳にもいかないし、何よりワシ自身がそんな大金を持ち合わせていないのだ。
 ならばこの話はまだ先にすべきだと結論を出し、一同に向かってその旨を話そうと思った矢先に、ユキミ殿の着ぐるみの蹄がワシの口元に添えられて、発言を阻止された。
 ワシが困惑しているのをよそに、ユキミ殿の青い豚の被り物がどこかあくどい表情を覗かせているように映った。
「ヤヅルさん。お家、買いましょう!」
「ぬ? い、いや併し、先立つ物が……」
「ギルなら有りますよ!」スッとシュラウド・ラウンドテーブルにギルの詰まった小袋を差し出すクロス殿。「これで問題有りませんね!」
「ちょ、ちょっと待っとくれ、それは――」
「私からもこれを……!」スッとシュラウド・ラウンドテーブルにギルの詰まった小袋を差し出すサクノ殿。「少ないかも知れませんが、お役立てください……!」
「待て待て、待て待て待て待て! お主らワシの話を――」
「ヤヅルさん」エレット殿が小さく空咳をして、恐る恐ると言った態で呟いた。「実はこの冒険者居住区と言うのは、冒険者が皆さん狙っているのですが、今ですね、一ヶ所だけ空き地が有るんです。恐らくは、すぐに埋まってしまうと思いますが……」
「ぬ? ぬ、ぬぬ……そ、それは……」
「爺ちゃん」ポン、とワシの肩に手を添えるツトミちゃん。振り返ると、彼女はご満悦の表情で笑っていた。「毎度ありぃ~♪」
「…………」
 ワシは微笑みかける社員一同を見回して、――覚悟を決めた。
「……ワシのワガママかも知れんが、皆のギル、有り難く使わせて貰おうと思う。カンパニーハウスなる住処、買わせて貰おう……!」
 わっと歓声が上がる中、ワシはここに来てやっと、前世の世界に顔向けが出来るのではないかと想いを馳せていた。
 ワシの手が届く誰かを救いたかったワシだが、その実、ワシ自身ですら救えなかった前世。
 人界の底の底まで堕ちてなお、足掻いて足掻いて足掻いた結果が、あの結末ならば。
 今度こそ、手の届く誰かを救おうと思うのならば。
 まずは、己を救ってみせろと。そう、彼らに教えられたように、感じるのだ。
 足場を固めるのだって大事な工程だ。これで冒険者業も更に捗るに違いない。事務所として扱うのであれば双蛇党からの依頼も滞りなく社員一同に伝えられるようになるし、何よりカーラインカフェの一角を借り受けなくても済む分、外で話し難い話題もし易くなる。
 また大きくワシの世界が一歩を踏み出す。一介の冒険者がフリーカンパニーの長になったのも束の間、今度は社屋……本社を設立する事になろうとは、夢にも思わなかった。
「カンパニーハウスの名前はどうされますか?」手続きに必要なのだろうか、エレット殿が書類に必要事項を書き込みながら尋ねてきた。「後からでも申請できますが」
「社屋の名前、と言う事か」とんとん拍子に進む展開に思わず言葉が詰まりそうになるも、ここは流れに任せた方が良さそうだと、思考を切り替える。「であれば……寄合所。皆が集まり、話し合いが出来る場所と言う意味で、寄合所、で、どうだろうか」
「「「「「寄合所……」」」」」五人分の復唱が続いた。
「ウチらしくて、良いんじゃないかなぁ」こっくりと頷くツトミちゃん。「そこでなら、ずっとグダグダしてても怒られなさそうだし!」
「契約書類などを整理する場所が出来るのは有り難いです」穏やかな微笑を浮かべるエレット殿。「皆さんとの意見交換もスムースになるでしょうし、賛成です」
「疲れた時に帰ってきて、ゴロゴロできる空間……!」表情が華やいでいくサクノ殿。「良いですね良いですね!」
「お庭で菜園とかもやりたいです……!」スッと小さく挙手するユキミ殿。「採れた物でおやつとか作れたら素敵じゃないですか……!」
「フリーカンパニーの帰れる場所が出来るって言うのは、良いですね」満足気に腕を組むクロス殿。「戦果とかを気軽に見せ合えると、また嬉しさも倍増ですし」
 誰にも邪魔されず、やいのやいの騒ぎ、笑い合いながら話せる場所が出来るのだ。
 嬉しいに決まっていた。それが、この森の都に築かれるのだ。
 寄合所。それがワシらの新たな住処の名前。
 フリーカンパニー【オールドフロンティア】の拠点であり、ワシことヤヅル・シラが初めて得る、帰るべき場所――
Kommentare (2)

Tsutomi Amou

Shinryu [Meteor]

更新お疲れさまですvv

なんていうか、だいたいこの通りだから泣けてくるよなw
ほんと素敵なメンバーに囲まれて幸せもんだな爺ちゃん!

あとはもう少しインしてだな…って、それはわたしかwガンバリマス

次回は「帰るべき場所を得た爺ちゃん!マジ帰りっぱなし!!の巻」乞うご期待!!!

今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv

Yaduru Shira

Shinryu [Meteor]

>Tsutomi Amouさん
感想コメント有り難う御座いまする~!

ほんとそうwwまんまを綴った感じになりまするww
幸せもんだよほんと!w いやぁ~人に恵まれ過ぎてますわ…!

そうですwwそれはあなたですよ!ww でもご無理はなさらぬよう!w

アカン奴wwwwwそして事実でもあるんだなぁ…www

今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいでする~!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!
Kommentar verfassen

Community-Pinnwand

Neueste Aktivitäten

Die Anzahl der anzuzeigenden Einträge kann verringert werden.
※ Aktivitäten, die Ranglisten betreffen, werden auf allen Welten geteilt.
※ Aktivitäten zur Grüdung von PvP-Teams können nicht nach Sprache gefiltert werden.
※ Aktivitäten deiner Freien Gesellschaft können nicht nach Sprache gefiltert werden.

Nach Art des Eintrags sortiert
Datenzentrum / Stammwelt
Sprache
Anzahl