キーボードは買ったものの、一ヶ月使用することはなかった。
胃癌を患い休止を余儀なくされて約6年。癌さばいばーとなったごじらは日常生活を取り戻し、子育ても一段落つくことができた。
微妙に日常から退屈が滲み出て来た折にふとインターネットの記事に14のことを見つけ、復帰に踏み出して今に至る。
イシュガルドの拡張パッケージは未開封で、リベレーターのパッケージはもう買わなくても漆黒のヴィランズがあれば不要なのだと。
時代は巡るし、世界は巡る。
リアル世界では地球の自転速度は速すぎて、その遠心力で時に大気圏外まで飛ばされ、空気の摩擦により掻き消されてしまうんじゃないかと自身のちっぽけさに震えて眠るそんな10代の頃がオイラにもあった。いつの間にかひとりでラーメン屋に行けて餃子にビールまで注文してしまえるオッサンにジョブチェンジを果たしてしまってさえいる。
エオルゼアも驚くべきスピードで進化を遂げていた。先日消してしまった復帰後初の忍を楽しんでいた際も感じたが、今その頃よりもタンクとしておそらくダンジョンの最中にて誰よりも開けた視界の立場からしか見えないものが沢山ある。モチロン通常のフィールドにも随所に散りばめられている。
オイラはキーボードを買ったものの一ヶ月まるで使用していない。未開封のまま。
それでもこの世界は生きていると感じる。
感傷的な言葉を並べるつもりはなかったが、復帰後に購入した1ヶ月分の利用券が間もなく果てようとしている。
この一ヶ月間はリアル世界の体感速度が信じられない程早かった。仕事の時もエオルゼアに行ったらどうしよう何をしようのループ。今だって夜勤の休憩中に冒険欲を鎮めるためだけにこの記事に着手している。
結果更に欲求が高まり発狂しそうなのだから企ては失敗してしまった(苦笑)
ここに誰かと話すために早くエオルゼアに行きたい!!って欲求が重なったらリアルのオイラは一体どうなってしまうのだろうか。
長岡ごじらは、キーボードを買ったものの一度も使っていない。
今誰かと話す言葉は大多数がオイラからの質問になる。それだけオイラは何も知らないし冒険ノービスだ。リアルのこの悶々とした欲求を知ってしまったが故にどうも積極的にフレンドを見つけるってアクションに尻込みしている。誰かの時間を奪うことに躊躇している。
実際の生き死にを味わうとそこらへんナーバスになってしまうのだろう。『時間を奪う』って相当に傲慢な言い方だと理解しているのにそれ以外の言葉がオイラの語彙にはない。
今は、いつか、共に時間を使ってくれるヒカセン達と遊ぶ為にもなにより学ぶべきだ。
見て、聴いて、感じて。
そうして長岡ごじらはいつかキーボードを開封する時を楽しみに待ちわびている。
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