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Rilwo Patlin

Unicorn [Meteor]

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30歳を過ぎた独身男性による独白の日記19

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前回の日記18のカジュアルフレンチレストランにはなんとまだ続きがあったのだ。

お高いお値段にもめげずに涙を飲んで食を堪能した独身男性。
食後のブレンドコーヒー(420円)を存分に楽しんだ後、
店員に会計を告げると精算機の方へ向かうよう案内をされた。
支払ないなど怖くないと店員と共に快く精算機に向かった。
そこで見つけたのおよそ成人男性と同じ背丈ほどの大きな画面の精算機。
店員は軽やかな操作で数字を入力していくと、そこにはこれが令和のカジュアルかという金額が映し出される。
そんな数値の表示にも独身男性は眉一つ動かさずに笑顔で答える。
しかし、なぜだろう。
独身男性の目の前には現金の投入口が存在しなかった。
画面の上端、そこから飛び出すようにクレジットカードなどを入れるカードリーダーはついている。
それ以外には液晶が画面が広がるばかりだ。
チャット欄をスクロールするように下へ目線を映していくと、
なんと独身男性(身長170㎝)の膝上ほどの位置に現金の投入口があるではありませんか。
人の腕は長くない、腰より下の位置で行動を起こすにはかがむかしゃがむかするしかないのだ。
店員に確認する「ここが現金投入口ですか?」
無慈悲な店員「はい、そうです!」
独身男性はしゃがんだ。
カジュアルフレンチレストラン、一人ぼっち、衆人環視の中、独身男性は精算機の前にしゃがんだ。

見下されていた。
精算機に見下されていた。
ガレマール帝国軍の最終兵器と同じぐらいに見下されていた。

機械の感情など現代技術ではいまだ観測されていない。
だが独身男性は確かに其の物の声を聞いたのだ。

この精算機はエリートやカップル、そういったリア充のために用意されたもの。
決して貴殿のような独身が使うためのものではない。

この日記を読んでいる方に、これだけは伝えておきたい。

すき家然り、松屋然り、就職活動然り、真にカジュアルなものは自らカジュアルとは名乗らない。

願わくばこの言葉が世の中の一人でも多くの独身男性に伝わることを、
そしてこの苦しみが二度と生まれないことを願う。 

from 独身男性
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