Charakter

『質問』にはそれぞれのやり方が有ると個人的に思う。
例えば、素朴な質問には素直に聞いたりする。
疑問に思う事には提示した相手に対して強めに聞く。
それで相手がどんな反応を示すのかは十人十色だから難しい。
特にウェルリトの『研究所』から救出されたガレアン族の兵士と、例の悍（おぞ）ましい研究や実験を繰り返してきた研究員達に対する『質問』はなかなかに大変だった。
一人は、手の指を丁寧に『マッサージをして』聞いてみたが、泣き叫ぶばかりでこちらの質問には全く答えてくれなかった。
最初は強気だったのに、途中から泣き叫ぶばかりとは。『マッサージ』が強過ぎたのかもしれない。
二人目はそれに注意して『マッサージ』をしながら聞いてみたが、途中で気絶してしまった。どうやらあまりの『丁寧さ』に意識が飛んでしまったようだ。涙を流す程とは思いも寄らなかった。
三人目に対して入念に『マッサージしながら質問』をしていた時にシドに止められてしまった。
「いくら何でもやりすぎだ」と言われたが、俺は『ただ質問をしていただけだ』と答えた。
その後、負傷者の治療の為、俺は医務院を追い出されてしまった。
どうやら『質問』のやり方を間違えてしまったようだ。
まだまだ聞きたい事は有ったが、致し方ない。
取り敢えず料理の仕込みの為に帰るとしよう。






































最重要警戒人物　ヴェイン・バダック

概要・『ウェポン』の開発、研究関係者とガレアン族の兵士に対する拷問行為に対する警戒
被害人数・１３名

手指の骨と手首を折りながら『何故あんな研究を行ったのか』『何故非人道的な事ばかり繰り返したのか』等、相手が半狂乱になるまで同じ質問を繰り返していた『拷問行為』は、報告を受けたこちらが戦慄を覚えるものであり、全員が全治３〜５ヶ月の重症を負っている。
また、研究員だった者達の精神状態は極めて酷く、未だに錯乱状態のものが多い。
我々はこの事態を重く受け止め猛省、以降は当該人物を医務院に近づけさせない事、負傷者の心身の治療を継続的に続けて行く事を決定。当該人物を最も高い「最重要警戒人物」に位置付ける事にした。
各員、彼が再び医務院に近づかないように警戒する様にして欲しい。

解放軍・ウェルリト駐屯地連絡班