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35話 「バリスタとコーヒー豆」 1周年記念物語
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35話 「バリスタとコーヒー豆」
--- The Seventh Heaven ---
十数年前
「はぁ!? 予知夢を見ないようにしたい!?」
「ええ、この力、私の手には余ります……」
レヴナンツトールにある大衆酒場「セヴンスヘブン」最近、千里眼が良く通う酒場だ。
同僚の調査員は、埃っぽいこの街を嫌い、テレポでシャーレアンに戻る。
そして、高級ワインバーなどの小洒落た場所へ通っている。
千里眼は、この場所の飾らない雰囲気が気に入っていた。
笑い声が喧しいのと、時折飛んでくるグラスから身を守るのも、ご愛嬌だ。
ここに通うようになって、千里眼はある探検家と親しくなった。
風見鶏と呼ばれた男は、実に楽しそうに自身の冒険話をした。
その口から語られる冒険譚は、千里眼を瞬く間に秘境へといざなった。
時間を忘れて話に聞き入り、時に腹を抱えて笑い、時に目頭が熱くなった。
風見鶏と知り合って半年が経った頃、千里眼は彼にある相談を持ち掛けていた。
予知夢の能力を消し去りたい。それが彼の出した結論だった。
「良いのか? 人には無い特別な能力なんだぞ?」
「ええ……」
「確かディアボロスが生み出した扉に入ってからだよな?」
「はい、それから悪夢と予知夢をセットで見るようになりましたね」
「なら話は早い! お前、夢を持っているか?」
「夢……ですか」「持っているような、持っていないような……」
「もってやがるなw」
「ディアボロスは、ドス黒く、歪んだものが大好物だ」
「反対に、力強く、眩しいものは苦手としている」
「だから夢を持て!!」
「そう簡単に言われましても……」
「安心しろ、お前の夢、俺が鮮明にしてやる!」
彼の言葉に二言は無かった。
調査員を辞めて冒険者になった千里眼は、風見鶏の護衛として共に世界を駆け巡った。
世界を自由気ままに旅し、その土地の伝承を紐解く。これが彼の夢だった。
太陽のように力強く、そして大空のように大きな志を持っている風見鶏。
彼と行動を共にする内に千里眼の夢は鮮明になり、
悪夢や予知夢を見ることは段々と無くなっていった。
「くぅーーーーー!! いよいよ、大きい山が来やがった!」
「おめでとう、夢の達成に近づきましたね」
「サンキュ、きばって行くぜ!」
「ご一緒出来なくて、本当に残念です」
「ギルドから急に応援を頼まれてしまって」
「良いって事よ、お前も今やギルドに欠かせない存在だからな」
風見鶏はその功績が認められ、都市国家ウルダハから直々に調査を依頼されていた。
ニーム浮遊遺跡に眠るといわれる、無限の力についての調査だ。
「生まれてくる坊主の為にも、今回の山は絶対に成功させる!」
「お子さんが生まれるんですか!?」
「マスター! 一番高いボトルをあけて下さい!!」
「おぃおぃ、随分と景気が良いなw」
「皆、今日は私の驕りだ!【風見鶏Jr】が誕生するお祝いだ!」
体中の血が酒で出来ているような、荒くれ冒険者達の歓声が起こる。
セヴンスヘヴンでは、いつ終わるとも知れない宴が繰り広げられた。
--- Area The Floating City of Nym ---
「歌い踊る我らに、誇り高き小人の加護を与えん」
「ミニマム」
「キター!!」
「小さくなった!?」
大はしゃぎの靴紐と、おっかなびっくりの猫騎士そして、余裕綽々の千里眼であった。
三人の体は見る見る小さくなり、小さな扉を無事超える事が出来た。
扉の先には、細く長い回廊が続いている。
猫騎士の盾が光を放っている為、それを明かりに前へと進む。
不意に人影と、バリスタ?のようなものが見えた。
「止まらんと撃つぞい!」
「警告はしたからのぅ!」
「ちょっとタンマ! もう止まってるよ~!」
猫騎士の返答も空しく、岩のように大きな弾丸?が撃ちだされた。
「くっ、皆さん頭を下げて!」
盾に物凄い衝撃が伝わり、粉々に砕け散った。……弾丸の方が。
「う~~ん、良い香り、クルザス産の豆を使っていますね」
「何だかリラックスできる香りだねっ♪」
辺りに漂うのは、焙煎された上質なコーヒーの香りだった。
弾丸と思われたものは、コーヒー豆だったのだ。
千里眼と靴紐が香りを楽しんでいる間、猫騎士はダッシュを使い、相手との間合いを詰めていた。
よく見るとバリスタだと思ったのは、輪ゴムを使った原始的な装置だった。
ヨボヨボの爺さんが、暗闇の中コーヒー豆を探している。
「全く!こう暗いと見えやせんわい!」
「はい、これ!」
「おぉ、助かるわい」「敵が迫って来ておるからのぅ」
「ってまさかーー!!」
「ニシシ♪」
--- Area Dwarves Village ---
コーヒー爆弾から数時間後
千里眼一行は、小さな扉の奥にある小人の村に来ていた。
さっきの爺さんはどうやら村長だったようだ。
待ち針のレイピアと、ボタンの盾で武装した兵士達が扉の外で中の様子を伺っていた。
「風見鶏の知り合いらしいぞ」
「あ~良かった。てっきり、青燐水を奪いに来た無頼漢かと思ったよ」
2人と一匹は村長の家でささやかな歓迎を受けていた。
「お主は、風見鶏の息子じゃろ?」
「うんっ!」
「ホッホッホ、すぐに分かったわい、面影が残っておるからのぅ」
「コーヒー豆を撃った癖に(ボソ」
「あんだってーー?」
「いえ、何でもないです……」
「お主は観光に来た訳では無さそうじゃな……」
「はい、古き親友の汚名を晴らしに来ました……」
長老は千里眼の一言ですべてを悟り、静かに席を立った。
「よろしい、見せたいものがあるのじゃ」
「3人ともついてくるのじゃ」
ニーム浮遊遺跡の最深部へとたどり着く2人と一匹。
果たしてそこにはどんな事実が待ち受けているのだろう。
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うーにゃー!気になるですよー!!www
最近 よく取り乱す りりこです こんばんは(≧∇≦)
風見鶏さんの 過去… 汚名を晴らさんとする千里眼さん それを 他人にも 当事者にもなれる 音速さん自身が楽しんでるなぁーって 見てて感じます♪
続きはよっ!はよっ!!w (うそですよーw たのしんで くださいねー♪)
Liryさん
コメント有難うございます!
色々と書きすぎて、読み辛くなっていると思いますが
読んで頂けて感謝です!
そうですね、アラスジは決まっているのですが
いざ書き始めると、人物が勝手に動いてしまい、長くなりますw
簡潔に、面白いもの書きたいなー!
Dieser Charakter wurde gelöscht.
今回も楽しく読ませていただきましたぁ♪
全然読み辛くないですよー!そして本当に感心してしまいます(≧∇≦)
私にもこんな素敵な才能があったら楽しいだろうなぁ♪
音速さんの頭の中ってどんななのか見れるなら見てみたいw
次回も楽しみですねぇ(o^^o)
おぉ、続編きた!
これはますます続きが気になりますなぁ。
風見鶏に一体なにが・・・!
そして盾が意外な活躍をしているw
そうか~、光ってるのは松明代わりだったのですな。
たしかに敵の攻撃もそこに集中しやすそうだし、丁度良さ気ですなぁw
Lalanさん
コメントありがとうございます!
私は妄想してて楽しいのですが、皆様に楽しんでいただける内容なのかは疑問ですw
私の頭の中は、くだらないことが沢山詰まっていると思いますw
ラランさんには、周りの空気を穏やかにするという才能があると思います!
それって誰にでも出来る事ではないですよっ!
Znafさん
盾が光っているのは、夜道を照らす為なのです(違う
次回で何とか終わらせられると思います!
風見鶏さんの過去は… 待て次回!w