世界巡覧の回顧録:ラザハン真眼門ラザハンの正面玄関の門。国章にも描かれている真眼が出迎える。
切り立った岩地の限られた国土で発展した国だからか、建物は縦方向に伸び、高密度で立体感のある街並みが感じられる。建材は地産の石造りが主となっている。
アルザダール通り門をくぐり階段を上がった先、水場と噴水の通り広場。噴水には錬金瓶や象の鼻、壁飾りには極彩色の孔雀の羽がモチーフとされ、この地の特色をよく具現した意匠となっている。
地名はかつてアルカソーダラと手を取ったアウラの偉人の名から。
街灯。見ての通り象をモチーフとしたデザインだ。精巧な作り込みに技術力の高さと信仰の深さが感じられる。
宝物庫の門。潤沢に使われた黄金と細やかな装飾、まさしく宝物庫らしい豪奢な意匠だ。富豪セネル家が景気づけとして公開しているらしい。
観光客は記念に一枚残すも良し、冒険者は祈りを捧げるも良し。魔槍の相棒も金欠の際は世話になったとか。
ルヴェーダ製糸局前。通り脇はリアカー留めや荷置きとして活用されている。製糸局で造られたラザハン名産の絹糸・絹織りを外へ送り出すためだろう。こういう計画敷地外への滲み出しが土着的で何とも面白い。
ルヴェーダ製糸局製糸局の外観。三原色のシルク織がカーテン状に垂れ下がり、そのカーテンは反物のように屋根から引き出されている。織物に所縁あるデザインで、施設機能と外観が良く調和している素敵建築。
製糸局2階の屋外テラス。ここも荷置きとリアカー留めに使われている。ただ、ここまでの経路は全てスロープ無しの階段だ。リアカーは恐らく板敷して移動する運用なのだろう。
この手の営みがボトムアップで土着的な文化を色濃く表している。
製糸局のテラス上のに置き棚。通り脇やテラスにも収まらない荷物は、建物横付けの荷置き棚へ。荷の上げ下げはホイストクレーンで。
片持ち鉄骨架台をロープで吊上げたシンプルな構造。荷の増加に伴っていかにも後付けで造られた空間だ。
機織り作業室の全景。色鮮やかなラザハン織と建築内装が相まって多彩さに圧倒される。雑然と見えるが、作業工程ごとグルーピングされていて実は機能的な空間運用だ。作業空間にそれぞれ様々なカーペットを敷いているのも独特で面白い。
機織り機と職人たち。職人の独特な動きも恐らくここでしか見られない。興味深い。
織り機の機構を考えるに、上部に糸をセット、手元で直交方向に糸を通し、仕上がった布が下部で巻き上げられて反物が出来上がる仕組みだろう。
機織り作業室の石壁。棚には反物が置かれていたり、布が垂れ下がっていたり。糸車は回転して糸が引き出せる仕組み。この生活感のある雑多さが製糸局の活気を示しているようだ。
極彩色の天幕飾りや提灯のような吊り照明もラザハン独特。
機織り室の作業机。机の上にはミシンや糸コマなどが置いてある。主に手縫い分野を担当している作業机のようだ。きめ細やかな細工や刺繍などはここの職人が腕を振るう。裁縫の工程的には仕上げにあたるのかしら。
機織り室、着付けスペース。仕上がった衣服を着付けして最終調整しているようだ。職人たちが踊り子の衣装を全周隈なく確認している。
糸から布へ、布から衣装へと次第に立体感を帯びるここまでの作業工程がこの機織り室のみでほぼ完結している。
機織り室、完成品の保管スペース。綺麗に並べられているところを見ると展示の機能を兼ねているのかもしれない。
布材も衣装も、華やかで美しい完成品がこれだけ並ぶとなかなかに壮観。
機織り室の隣では、製糸作業が行われている。まずは原料の繭を産み出す養蚕作業から。餌となる桑の葉を与えて蚕を育てている。これを見れば絹が生き物だということが実感できよう。
織物を特産としているだけあり、養蚕もかなりの数に見える。
製糸作業室。育った蚕はいよいよ繭へ。一面に広げられた多数の繭。自然物である繭には製糸に適さない質のものもあり、これを取り除くいわゆる選繭が行われている。
この工程が糸の品質を上げ、延いてはラザハンの特産を特産たらしめている。
製糸作業室。選繭を経て、繭の解きほぐしの作業に入る。煮繭と呼ばれる工程だ。湯に繭を付け置き、糸同士の接着をやわらげながら糸をほどいて撚り合わせていく。出来上がった撚糸は糸車で巻き取って整えられる。
前回までで製糸作業室の一連の工程を追った。一室内である程度完結して作業ができるのは、高密度で効率的な建物運用だろう。
上階からの物資運搬にはクレーンが用いられる。この上はちょうど桑畑で、蚕の餌である桑の葉の荷下ろしが主かしら。
黄金のガジャ像は座ると運気が上がるらしい。
紅龍が釣れますように。
風の桑畑桑畑。ここの他、製糸局屋上にも植えている。当然、広く日当たりの良い空間だ。
蚕の餌となるだけでなく、桑の果実はジャムや菓子、お酒にもなるらしく、国民的に親しまれているようだ。
ラザハン織のルーツが桑の木とは、物作りの過程はかくも面白い。
隅の物置。作業用具の保管が主用途か。この手の物が探せばちゃんとあるのが、実にこの国らしい。
観光地なら隠したくもなるが、自国の民や桑を第一に思えば手近な方が運用に理がある。ここに国の価値感が見える。観光で国を興すではなく、民が国を観光地たらしめる。
ラザハン・ランディング建物の外観。路地の突き当りに大きな看板が掲げられている。ラザハンらしい極彩色の色使いと、翼を模したようなデザインが特徴的。文字の端部も翼が描かれ、象形からも建物用途が伺える。
ランディングの看板はサベネア文字ではなくエオルゼア文字で書かれている。ランディングは国外からの来訪者向けでもあるからエオルゼア文字なのかしら。
正面玄関と小窓。小窓は常開で縦ルーバーが取りつく。常開窓は温湿度の籠り防止に期待でき、この国ではよく用いられる。
視線と空気が抜けて、ランディングの先に広がる大空が垣間見える。擬宝珠のような玉ねぎ型もこの国らしい意匠だ。
建物の内観。玄関側に待合用のベンチ、搭乗口側に受付カウンターを構えるシンプルかつ機能的な平面プラン。恐らくカウンターもベンチも後置きの什器で、建物の運用形態に合わせて自治的にレイアウトを決める仕様に見える。
飛空艇の発着場。切り立った崖地に面する。手すりが途中から切れ、飛空艇が寄り付けるようになっている。貨物も集積されている。
ここから望めるサベネア島の大自然は絶景。雑然とした街中とのギャップも相まり開放感が凄まじい。
発着場。隣接建物からクレーンが下がっている。貨物はランディング施設を通さず、直接発着場と行き来できるルートもあるようだ。ランディングが奥まった位置にあることを考えると、屋上経路で散開する物流の方が利があるのかもしれない。
ふらっと物見に繰り出していたゼロ、どうやらランディングから空を眺めていたらしい。
この地の空は色味もフォグも独特で良い。これが止んだら快晴の予報だ。
発展は制約の賜物
賜物か、それとも脅威か
土地の空
ニーローパラ畜産局ハンサの鳥小屋。畜産研究所という機関の所掌らしい。雨を凌ぎつつ風通しを確保した半屋外のような造り。色使いや細部のデザインはラザハン建築と同じ様式。
ニーローパラは食用ハンサ畜産の祖にあたる牧獣士の名から。
ハンサの水飲み場。青を基調とした極彩色が、水と相まって涼しげだ。給水用の設備にどことなく錬金術らしさを覚える。
メーガドゥータ宮ラザハン太守の私邸である宮殿。この国の最高行政機関でもあり、比較的標高が高く市街地とは距離を置いた立地にある。屋根のドームと太陽のような大きな正面飾りが特徴的。
ちなみに地名は「雲の使者」の意。
ユジュ区住宅街。道がカクカクと入り組んでいて視線が抜けない。限られた国土で、国民の自治を尊重して成長した街故かしら。トップダウンのシャーレアンとは対照的だ。
所々屋根上からの吊り荷が見られる。やはり屋根上に物流経路がありそう。
アルザダール通りの上を渡る橋。限られた国土を有効活用するためか、立体感のある街作りとなっている。橋側面には多彩な色使いの象が描かれる。サベネア島らしいデザインだ。
この橋上からは国の玄関が俯瞰でき、商人の行き来や街の活気が感じられる。
アルザダール通り上の橋から北、隣の建物の屋上を眺める。立ち入りはできないが、建物屋上も緑地や広場として有効活用されているようだ。
どこを見ても人の密度感や人らしい雑然さが垣間見え、民主体がこの国を活気付けていることを実感させられる。
カーマ区住宅街。ベンチで話し込む住民、家前に積まれた荷物、どこを取っても人や物で溢れている。提灯や天幕、舗装タイルですら良い意味で雑然さに拍車を掛けている。
民一人ひとりの個が、街や国へ滲み出て全となるこの国らしさが色濃く出ている。
ラザハンの民家。極彩色の石材や擬宝珠型の窓など、建築様式は他のラザハン建築と同じだ。インテリアには家主の個性が出るが、この家では裁縫に精を出しているようだ。家の様子からも活気ある生活感が感じられる。
ラザハンの民家。ここにはアルカソーダラ族達がお住まいのようだ。壁掛けフックにバナナや肉など食材が吊り下げられている。ラザハン織の大きなタペストリーも印象的。本棚は壁に埋め込みで造られていて、擬宝珠のようなユニークな形状で面白い。
ラザハン民家。部屋の一角にあるユニットバス。バスと言ってもシャワーや浴槽はなく、ブラシで体を洗う使い方のようだ。これはアルカソーダラ族の仕様かしら。照明兼水溜めの装飾が細やかで煌びやか。床排水口は2か所。
エーテライト・プラザエーテライト直上が円形に露天している面白いプラン。雨や日光が抜けるため、半外部のような曖昧な空間を帯びる。室内外も天候も時間も、色々な表情を持つ多彩さが国を象徴するかのようだ。クリスタルの布飾りもラザハンらしいアクセント。
流星の間各地の駐在武官が集う部屋。そも各国駐在武官がいるのも多彩の都ラザハンならではだろう。
部屋中央には会議用のテーブルが設置されている。壁際に大きく掲げられていた国章から、この国を支える彼らの使命感が感じられる。
星戦士団本営星戦士団本営に掲げられている看板。有識者によると"HALL OF THE RADIANT HOST"とサベネア文字で書いてあるようだ。デザインのモチーフはなんだろうか、擬宝珠のようにも錬金薬のようにも見える。
星戦士団本営。部屋自体はシンプルなラザハン様式。用途は団長の執務室だろうか。机に書類などが積み上げられている。掲げられた国章に込められた意思の強さは計り知れない。
バルシャーン・バザール西通り交易都市ラザハンの中枢とも言うべき屋内市場。西通りと東通りに分かれている。ラザハン織の天幕や商店のテントなどで鮮やかに飾られ、常に商人と客で活気に満ちている。
ちなみにバルシャーンは伝説的商人の名から。
トームストーンを扱う武具店。冒険者なら一度は立ち寄ったことがあろう。
テントは鉄管の骨組みに布材を取り付けたシンプルな造り。競争が激しく商人の入替りがあるからか、ほとんど仮設のような建て方だ。
ラザハンと言えば錬金術の盛んな都市。当然、錬金薬を専門に扱う店もバザールに展開されている。色とりどりな試験管や小瓶、蒸留器や素材など、小物がカウンターに並べられている。
世界を並べるカウンター
バルシャーン・バザール東通り西通りを折り返して東通りの商店を眺める。マテリア師のお店。
カウンターには雑貨のほかに花が活けて置いてある。マテリアと交換できる不活性樹枝状・花弁状クラスターが、この花と何か関係あるのかしら。
ラザハン名物、ラザハン織の商店。色鮮やかなラザハン織が一面に展開されいて、つい目を奪われてしまう。バザールの雑踏にも負けないほど華やかだ。仕上がった物も売られているが、糸や反物も扱っているようだ。
料理屋。料理もあれば酒類や食材も扱う。カレーに串焼き、新鮮な果物、穀類、肉など、所狭しと店前に並べられている。蒸留酒もラザハン名物だったか。料理の香りも相まり、これもついつい歩みが止まってしまう店構えだ。
お店の入っていない一画。テントはそのままに、衝立で閉じる運用としているようだ。商品を持ち込みさえすれば、すぐにでもお店を開けるよう、競争や回転率を活性化させる仕組みなのかもしれない。
結び目の街
メリードズメイハネお店前に掲げられている看板。サベネア文字で、"Mehryde's Meyhane"と書いてあるようだ。下の方にはエオルゼア文字で"Public House"と書かれ、地元民でなくても分かるように配慮されている。象の鼻を模したような装飾も煌びやか。
店の内観。広い空間にテーブルとイス、絨毯を自由に並べたシンプルな運用だ。壁際に受付、奥にはステージが計画されている。天井から下がるシャンデリアが豪奢。天幕の布飾りもラザハンらしい。
ちなみにメイハネは居酒屋やパブの意。
テーブル。円卓は人数に依らないし、丸椅子は向きを固定しない上持ち運びも容易。こういう運用にラザハンらしい融通の良さが感じられる。
蓮の花状の卓上メニューがまたこの土地らしくて可愛い。錬金術の街だけあり蒸留酒が多種多様だとか。
ステージ。床は蓮の花がモチーフ。正面には象の鼻の吊り照明。柱の陰に裏口、いわゆる袖がある。
サベネアは踊り子発祥の地。国内外問わず踊り子のショーは人気なようだ。料理の香り、酒気、ショーの熱気、全部ひっくるめて店の活気へ繋がる。
外側の席。店の外側は大きい開口が連続して設けられている。床には土と芝が敷かれいることも相まって、半屋外のような空間。眺望や風も感じられて開放的で、雰囲気も落ち着いている。
ラザハンで夕食。
現地調査でバザールを通ったのが良くなかった。腹が減っている時にあの香りは反則だ。辛抱堪らずメイハネでカレーを頼む。
ラザハン名物、待ってました。こっちのカレーはナンだったな。カレーが二種類、どちらも良い色。肉はハンサか。香辛料は何だろう。だめだもう頂きます。
ラザハンで夕食。
またこのメイハネに来ている。先日はカレーを頂いたが、他のテーブルで見た串焼きがまた気になってしまった。
すごい肉厚、切られてるのに具が一口に収まりそうにない。辛そうなソースはなんだろう。なるほど串焼きならショーを見ながらでも食事を楽しめるって寸法か。
アルキミヤ製薬堂製薬堂の入口。両脇に薬瓶を模したようなオブジェが出迎える。いかにも錬金薬を扱っていそうな門構え。薬瓶に施された目のようなデザインが怪しくも、確かに効力はありそうな印象を抱く。
入口をくぐって両脇には窓口がある。屋根付きのカウンターブースのような形状で、ファサードが印象的。製薬堂の大空間から少し独立したような落ち着いた空間となっている。
錬金薬の購買や製作相談などの窓口かしら。
窓口。カウンター上には書類やら素材やらが無造作に置かれている。奥の壁には薬箪笥のような引出しの沢山付いた棚が設置されている。錬金薬が分類されて収納されているのかしら。さすが錬金術の中枢、ここなら大体の薬は揃いそうだ。
製薬作業所。入口正面を進むと広い製薬作業所に出る。すり鉢、巨大な錬金窯、作業机、干された素材など、実に様々なものが置かれている。みな活き活きと作業に励んでいるが、その活力が薬に依存するものでないかは敢えてここで聞くまい。
錬金窯。壁床からパイプが伸びている。手前のバルブで流入量等を調整するのかしら。この大きさの窯がいくつもあれば、錬金薬を大量に生産できよう。
デミールの遺烈郷にあった窯とは若干形状が異なる。年季的にはこちらの方が新しい型かしら。
製薬堂の正面右手は研究スペースだろうか。壁際に本棚が並んでいる。周囲とは少し独立した空間計画で、個人が作業に集中しやすいよう配慮が伺える。
研究スペースの黒板。何やら難しい内容が色々と書かれている。ぱっと見た感じでは数式や化学構造式のようにも見える。
この営みがラザハンの錬金術を支え、世界の未来を切り拓いていく。
壁面のパイプ。かなり複雑に接続し合っている。錬金薬製作の過程で、薬品等の配合でも行っているのかしら。色合いのインパクトもあってかなり印象的なデザインだ。
巨大な錬金窯。何と言っても製薬堂正面のこれに目が行く。壁から大径のパイプがいくつも接続している。色もまた怪しくカラフル。上方でクルクル回転している機構は何だろう。色々良く分からないが、偶像崇拝が起こりそうな神々しさすら覚える。
製薬堂の奥へ進み、階段前の錬金設備。
漏液対策のため防液堤が設けられている。偉い。万が一、薬液が設備から漏れ出ても、一時的にこの堤内で貯めておける仕組みだ。それだけ危険な薬品を扱っているとも言える。
製薬堂奥、階段を下りて地下へ。
地下室は2層吹き抜けの大空間。上層は吹き抜けに面した回廊となっているようだ。怪しい錬金設備と本棚がずらりと並んでいる。製薬に関する書籍や研究資料など、ライブラリの用途かしら。
地下室、階段裏。得てして階段裏は天井が低くデッドスペースになりやすい。製薬堂では物置用途になっているようだ。壁掘り込みのサイケデリックな錬金設備が印象的。
地下室、大空間の一角にある作業エリア。作業机、薬棚、錬金窯、書架などがコンパクトにまとまっている。相互にコミュニケーションを取れる距離感で作業も捗りそうだ。オールド・シャーレアンで魔法を学んだ留学生も見習いとして勤めている。
2022/9/13~2022/11/15
Mine Chrysanthe