『ずいぶん遠くまで来たものだ。』愛馬スレイプニルの背にまたがり、その日俺はアラミゴ奪還の最終決戦の地(ここは城なのか?)に来ていた。
イシュガルドの地を後にした俺は、その後行動をともにしている暁のメンバーを助けるため、帝国からのアラミゴの解放に力を貸している。
もともと根無し草の俺だ。どこへ行こうと、誰と戦おうと自由なわけだが、
この暁という集団はいろいろと都合が良い。
俺はなにせ戦う事しかできない男だ。
この集団に所属する事で、見ることができる景色や、相対することができる強大な敵もいるのだ。
話を戻そう。
この地の最深部にいる奴は、アラミゴ解放における最終決戦に相応しい一番の難敵だ。
俺も何度か奴と相対して苦汁を嘗めている。
『仲間が必要だな・・』ここで言う仲間というのは暁のメンバーの事ではない。作戦上あいつらはあいつらでやることがある。
それにいつでも俺にとっての仲間というのは、
これまでの道中で知り合い、幾度もの戦線を共に潜り抜けてきた【冒険者】奴らの事を指す。
そしてその時の俺の頭にはある3人が浮かんでいた。
どら、のりん、まいまい
俺がサスタシャというダンジョンに挑んだ時の仲間だ。
浪漫日記3【サスタシャ】サスタシャは俺が初めて挑んだダンジョン。
あの時の俺は戦士と呼べるような力はなく、手にしたばかりの斧を振り回してるだけだったな。
そしてそれを見ていたのが上の3人。
早速俺は、あいつらにコンタクトをとった。
-俺に紅蓮の夢を見させてくれ-なぜそんな誘い方をしたんだろうな。
紅蓮の夢か・・たしかにその時のアラミゴの風は、紅く炎のように揺らめいていた。
いや、それは俺の錯覚だろう。俺も知らぬうちに暁に染まっていたのかもな。
返事はすぐに来た。
「いいですよ~。」「行こう!!」「任しとけ~」ふふふ。変わってない、あいつら。
『よし!いっちょ成長した俺をみせてやろうぞ』アラミゴ奪還はちょうどいい舞台だ。
所詮俺たちは冒険者。暴れるのにも大義名分は必要だ。
意気揚々と突入する俺たち。
しかし最初は手探りだった。
なにせそれぞれの交流はあっても、チームとしてこの仲間が集まるのは久しぶりだ。
しかしそれでもだんだんリズムがあっていく。それぞれの動きをみて、最適な行動をはじきだす。
例えるなら様々な音を経験してるからこそ、導き出される大人のジャズ。
時に激しく、時に静かに・・
さすが俺の仲間たちだ。
そして成長の成果をみせる舞台で緊張するかと思われた俺も、仲間たちの奏でるサウンドにのせられ、
どんどん勢いを増していった。
これだ!このかんじ!
戦士のパワーの源、原初の魂は震えている!なんという心地のいい振動だろう。
手になじんだ斧をふるう度に、
敵の攻撃をぎりぎり凌ぐ度に、
共に戦う仲間の顔をみる度に、
俺は速く、強く、そして熱くなっていった。
そしてたどりつく最深部…
目の前に相対するのは、間違いなく今まで一番の難敵である。
俺は仲間たちの顔を改めて見た。みんないい顔をしてやがる・・
自分自信にも胸に手を当てて、感じてみる。
『熱い・・』その時俺はある事に気づいた。
そして自然と俺の目は胸の熱さとは逆に潤んでいった。
『ただ成長を見届けてほしかっただけじゃ、なかったのかもな』Zum Anzeigen klicken Zum Verbergen klicken
『いこう!』奴はさすがに強かった。
しかし、はるかに上回る俺たちの熱量、胸に宿る炎の強さ。
未知の攻撃を受け、耐え、隙を見て渾身の一撃を打ち込み、
仲間からの援護、敵をじわじわ弱らせる技、
そのうち俺は勝敗などどうでもよくなっていった。
勝つというよりむしろ、
『おいおい、まだ倒れるなよ、まだまだ燃えられるぜ、俺たちは!』そう感じていたくらいだ。
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気付くと奴は膝をついていた。
そしてはっきりと俺の記憶があるのはそこまでだ…。
その後はなんだか夢でも見ていたような。
おぼろげながら覚えてることは、
先に一緒にいた3人の他に、りじゃ、ぴろ、りん、そーだもかけつけてくれていたな。
皆で楽しく花火をして、大きなドラゴン花火?
おれは天を見上げていた。
皆が俺を囲み、なんだかとにかく笑っていた。
これを日記を見ている諸君、今もその胸に炎を宿しているか?
なにも「英雄」「解放者」そして「冒険者」である事が美徳、
また戦う事だけが炎を宿すというわけではない。それこそ日々の暮らしの中にもあるであろう。
しかしなにをするにも漫然と、日々を過ごしていないか?
その日々の幸せを守りすぎてはいないか?
もちろんそれはそれで、ひとつの生き方だけどな。
しかしあえてもう一度問う。お前は今もその胸に炎を宿しているか?
真っ赤に燃え盛る
紅蓮の炎を。
俺にとっての初のダンジョンサスタシャ。あの時の俺は、不器用な斧を懸命にふるっていた。
大した技もしらない。力も弱い。敵は俺をみむきもしない。
くやしい、くやしい。だけど・・・
ー俺は楽しかった。
今の俺はどうだ?
あの時の俺より、知り合いは増えた。金も増えた。装備も段違いだ。
力も技も雲泥の差である。それだけ様々な経験もしてきた。
今や俺を無視出来る敵もいないだろう。
だが・・あのサスタシャの時、とにかく楽しかった時に胸に感じた熱さ…
俺は無意識に求めていたのではないだろうか。
あの時と同じ仲間でやれば、取り戻せる。
単純な考えだが、
強い思いほど、よりシンプルであり、行動になりやすい。