
上の写真は1865年4月15日、ワシントンD.C.のフォード劇場へ向かう恋人を撮ったのものだ。
二人はこの日の観劇に、列車の事故で間に合わなかった。
あるいはそれは運命かもしれない。
この日、二人が向かうはずだった劇場で――――リンカーン大統領が暗殺されたのである。
リンカーン
【あらすじ】
1865年12月6日、アメリカ合衆国憲法修正第13条が憲法に追加された。
リンカーン暗殺から、半年後のことである。
物語はアメリカ合衆国憲法修正第13条、すなわち奴隷解放宣言に纏わるものである。
当時合衆国は南北戦争真っ只中。
二期当選を果たし絶大な支持を誇るリンカーン大統領の悲願は、黒人差別の撤廃。
すなわち奴隷解放である。
しかし所属する共和党の票だけでは下院での修正案が通らない。
敵対する民主党、そして共和党内も一枚岩ではなかった……
激化する南北戦争は多くの死者を生むが、リンカーンはそれを奴隷解放の好機と捉えていた。
和平交渉すら袖にし、妻に恨まれ、息子を死地に送りながら、リンカーンは信念を貫く……
リンカーンの口にした、人民の為の政治が、いま試されようとしていた…
【感想】
スピルバーグ総指揮ということで、少しトンデモ要素が入るのではと期待していました(>_<)
サーセン、ガチで真面目な映画だったよ!
というわけで、歴史の授業でも必ず学ぶリンカーンと南北戦争、奴隷解放に関する映画です。
学校での授業を思い出すと、黒人差別は奴隷解放よりキング牧師の方が力入ってたかも…
ダニエル・デイ=ルイス主演でのリンカーン映画。
日本でのヒット作はフィクサーでしょうか。
とにかくこの人のリンカーンがすごい!
もちろん本物のリンカーンを見たことはないのですが、それにしても吸い込まれました。
権力者の貫録というか、この人が指導者なら二期連続当選するわ、と思わせる。
独特の落ち着いたしゃべりかた、不思議な説得力……
けれどなにより惹かれるのは、激昂したときの演技。
映画のリンカーンでは、なぜそこまで奴隷解放に拘るのかが多くは描かれていません。
少しだけ過去の体験が語られているくらい……
だからこそ、熱い想いを感情のままにさらけ出すシーンから、願いが強く伝わるのが重要!
ルイス氏は見事にそれをやってのけました。
そして安定のトミー・リー・ジョーンズ(笑)
カツラクソ笑ったwww
この人の役柄も、信念と現実の葛藤を上手く表現していて、さすがベテランでした。
最後の奥さん(時代的には事実婚が限界か)とのやり取りも泣ける(T_T)/~~~
ただ修正案を通す為に南北戦争が長引くことを容認……というか画策したりとか、闇の部分も。
確かにあの後の歴史を知る側からすると、あのタイミングで奴隷解放が行われたのは必然。
あれ以上後だったらと考えると、本当に難しく思います(>_<)
少なくともWWⅡの後くらいでかつ世論が動いてからじゃないと無理だったかも……
そもそも奴隷制を敷いたままの合衆国なら、今とは世界情勢も変わっていたのではと思います。
二つのうちから、何か一つを選ばなければいけないとき。
切り捨てる片方に、命の重みが加わるとき。
先を見据え、信念を貫き、その決断をくださなくてはいけない重圧は、どれほどのものだろう。
結果として死んでしまった命がある以上、すべてを肯定することはできませんが。
いま世界中で自由を謳歌する、少なくとも尊厳を踏み躙られることなく生きる人達にとって…
リンカーンの成したことがどれだけ大きな意味をもっていたかを考えると、すごいことと思います。
二期当選の大統領は暗殺されるというジンクスのはじまり。
革命者の辿る悲しい道。
ファンタジーではない、この現実世界に。
ファンタジー以上に悩み、苦しみ、今を変えようとした人がいたことを。
忘れないでいようと思える作品でした。
「人民の、人民による、人民のための、政治を地上から絶滅させない」
すべての政治家が、この言葉と共にありますように。
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