原題:「異議あり――「コンテンツサポーター」という名の“骨抜き”について」
>改稿の意図と謝罪
先に公開した原稿は感情的な批判が先行し、対案の具体性に欠けていました。
今回の改修は一部ギミックの見直しや調整を目的としている可能性があり、
その点を踏まえた論考が必要であったにもかかわらず、
私の初稿はそこを十分に汲めていませんでした。
先走って誤解を招いた点をお詫びします。
表現と論点を整理し、運営側の意図にも配慮した上で改めて考えを述べます。
※本稿は前回投稿を基に加筆・修正したものです。
>コンテンツサポーター導入への違和感
FF14で進められている「コンテンツサポーター」導入に違和感を抱いています。
初心者救済としてNPC同行が可能になること自体は歓迎しますが、
そのNPC導入に伴う改修は単に難度を下げるだけでなく、
元来そこにあった遊びの幅や職人的な手応えまで
失わせるおそれがあり、実際に失われていると感じます。
私は「工夫と責任感を削ぐ方向性」には反対です。
ゲームが遊びである以上、挑戦と緊張は残すべき要素だと考えます。
>オーラムヴェイルと私の思い出
オーラムヴェイルは、近々コンテンツサポーター導入のため改修されると聞いています。
私にとって「職人技の最後の砦」でした。
全滅して悔しさを噛みしめた日々があるからこそ、 攻略を成し遂げたときの達成感が大きかったのです。 そうした経験が奪われると感じるからこそ、 改修に素直に賛成できないのです。
>難易度低下がもたらす影響
コンテンツサポーター対応が進むと、例外なく遊びの幅が削がれます。
崖などの段差からの落下や、
回避要素、緊張感のあるギミック処理の必要性、
ユニークな遊び方・そのID独特の風物詩などが消え、
タンクの道案内・誘導術・・・つまりプレイヤースキル、工夫の余地も同時に失われます。
各人独自のノウハウを考える余地を削る。それには反対です。
>なぜ運営は動いたのか、そして問題点
野良CFでの 「まとめすぎるタンク(脳筋タンク)」
「回復を怠るプレイヤー(いわゆるグレアおばさん)」 「先釣りDPS」
・・・といったノーマナープレイヤーの存在が、
改修の判断に多大な影響を与えたのであろうと推察します。
しかし、ノーマナープレイヤーや低スキル層に合わせて、
環境そのものを変えるのは本来、本末転倒であると考えます。
>「黄金IDが難しすぎる」論の誤解
「黄金IDが難しい」と言われる背景にも、コンテンツサポーター仕様の弊害が影響しています。
コンテンツサポーターは飽くまで「ソロ」扱いです。
落下ギミックなどでプレイヤーが即死すると、即パーティ全体が全滅扱いとなる。
やり直し祭り、全滅無限ループにつながりやすい。
無限ループで「もうやだ・・・」って誰しもなるのは当然です。
だから「黄金IDは難しい」と言われるのだと思います。
「天深きセノーテ」でやらかした人も多いんじゃないでしょうか・・・実は私自身がそうだったので。
話を戻します。
運営が掲げる「一人でもみんなでも遊べるゲームを作る」という理念は理解しますが、
それは同時に「基本的には他人と組む」という前提を覆すということでもあります。
覆すなら、ゲームは明確に「ソロで進められるように作られる」。
しかし、私はパーティプレイを通して苦労してクリアした経験を持つ者として、
その方向性に一抹の寂しさを覚えます。
仲間と呼吸を合わせ、失敗を繰り返しながら工夫を重ねて得たノウハウや、
攻略の過程で育まれる責任感と達成感は、単に難度を下げるだけでは代替できない価値です。
だからこそ、単純な易化ではなく「工夫を育む整備」を優先してほしいと強く願います。
>コンテンツサポーターになれる弊害
コンテンツサポーターに同行するNPCは、
他プレイヤーと遊ぶ時の空気を再現できず、NPCなりの動きしかしない。
AIのみの環境で慣れたプレイヤーが野良に出ればどうなるか?
他人は自分のペースに合わせて動いてくれる訳ではありません。
どんどん先にいってしまい、置いてけぼりを喰らいます。ギスギスを生みます。
「他人と絶対に組みたくない、CF怖い」層には申し訳ないですが、
この点は本来、最初から他人と組んで慣れていけば解決する問題。
(どうしても無理、という層もいるからこその改修でしょうけれども)
NPC・AIだけを相手にすることに慣れてしまうと、
いざ野良に出たとき 合わせてくれない他人とのギャップから挫折を繰り返し、
学習機会と意欲が失われる。
これは救済ではなく、悪循環を生み、事実上「学びの剥奪」になってしまっている ・・・とも言えるのではないでしょうか。
本当にその状態を、コンテンツサポーターという制度に隔離してしまっていいのでしょうか。
>対案:難易度は削るのではなく整えるべき
望ましい調整は、ギミックを残したまま「手触り」を保つ方向です。
具体例としては次のような案が考えられます。
1)現行ギミックを維持しつつ敵の火力を一定程度軽減することで難度を抑える。
1-2)毒霧(当たり判定のある、侵入不可能な壁)などの進行制限をもうけ、
最大同時進行グループ数を制限して無理なまとめを防ぐ。
2)「初心者の館」にチュートリアルコンテンツを設ける。
ボスのみを練習できる専用の部屋を追加し、木人討滅戦や近年実装されたピルグリム・トラバースの供物戦のように、ボス戦単体を反復練習できる形式を想定しています。
「一人で挑戦すると即死亡扱いになるのだから、ボスだけ切り抜いても意味がないのでは?」
という疑念もあるでしょう。
しかし、
1)道中を省略してボスだけ練習できることで、効率的な時短になる。
2)個々のギミックに対して、マーカーやキャラクターなどを用いた、視覚的に分かりやすい実戦解説を添えることで理解を助ける。
これら二点を加味して実装すれば、十分に設置する意義はあると考えます。
ここで更にまた、3つの疑問に行き当たることと思います。
Q1)模範解答、公式見解を与えてしまうことで、ユーザー自身の工夫する余地をなくしてしまう事になり、これは本末転倒ではないか。
Q2)読み飛ばされるなら、コストに見合わないのでは?
Q3)初心者向けの学習コンテンツを作っているユーザー有志をないがしろにする結果になり、公式見解が存在する事でSNS上の盛り上がりを阻害しないか。
A1)ひとは他人に「こうしろ」と言われて「はい、こうします」と即出来るもの、ではありません。
それが出来るのは、本質的に頭の良い層限定の話です。
今回救うべき層とは異なります。
マニュアルがあっても、直ちに受け入れられない性質の方もいらっしゃいます。
そんな方々への「バイリンガル対応」「ジェンダー対応」のようなものだと思えば良い。
そもそもゲームをしたり何かの機械を使う時に
「説明書があるから1から10まで読み通してからやる」なんて
面倒な事をわざわざする人はそういません。
A2)読み飛ばされるからといってそもそも存在しない、のは
「不親切」というべきで、前提が根本的に異なります。
それこそ、説明書のついてない複雑な機械製品のようなもの。
そういう製品が存在しない、とは申しませんが、
今回対応すべき対象になる層を救うためには、
例え「無用のもの」であっても「救済する機会」を与えるために必要なものです。
「無用の用」といったところでしょうか。
A3)公式マニュアルがあるからといって、
ユーザー有志の制作意欲を削ぐ結果になることはない、と考えています。
それこそユーザーの数だけ答えがあるし、
現状でも公式に様々なマニュアルが公開されていますが、読む層は限定されているのではないでしょうか。
もちろん理想は、挑戦者自身がCFでメンターとのマッチングを受け入れ、野良パーティで経験を積むことです。あるいは、有志が公開している学習動画を参照し、自ら学ぶこと。
ですが、その理想へたどり着くための“最初の一歩”を支える仕組みこそ、今回の提案の意義なのです。
現実には、自発的な学習を前提とできない層も確実に存在します。
だからこそ、システム側で「学びの補助線」を用意することが求められるのです。
そもそも現在の問題は、込み入ったチュートリアルコンテンツの制作を、事実上ユーザー有志に任せきりにしている点にあります。
この体制そのものを、見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。
3)それでもクリアできない場合はクリア自体を免除する
別のクエストを行う+一定の全滅回数を満たすことでIDクリアそのものを免除する。
「免除」は本末転倒かもしれませんが、
「基本的には他人と組む」という前提を変え、
「是が非でもストーリー進行を一人ででもさせたい」という理念が、現状では採用されている。
その前提が動かないのであれば、
ストーリー進行ができなければ文字通り話が進まないので、
ある程度の努力を前提にではありますが・・・やむを得ない処置であると考えます。
上記に挙げたような方策で、「初心者救済」と「学びの機会」を両立できるはずです。
>結び:「易しさ」は救いではない、目的ではない
吉田Pをはじめ、運営さんが下した決断は苦渋の選択だったと推察します。
しかし、易しさを追うことで失われるものがあるなら、
それは単なる救済ではなく体験の劣化です。
苦労して乗り越える壁がプレイヤーを育てる・・・という私の存念は変わりません。
工夫と責任感を奪う方向ではなく、工夫を育む整備を選んでいただきたく、
改めてお願い申し上げる次第です。
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