「ぼくもこういう経験ありますね」
彼はそう言うと、ぽつり、ぽつりと語りじめた――
『惨劇霊殿タムタラの墓所』をクリアした後、私たちはどうということもない雑談をしていた。
タムタラの墓所の物語を終え、話の内容は自然と怪談へと流れてゆく。
ここまでは、どこでも見られるごく普通の光景だろう。
自分が経験した怖いこと。
多くの場合、それは、ちょっとした盛り上がりを見せて歓談を弾ませるものだ。
さて、少し話は逸れるが、私はホラーが好きである。
とはいえ、映画、小説、アニメ、朗読、ドラマ……どんなメディアでも、私はめったに怖い話に「怖い」と感じることがない。
不思議な体験を一度だけしたことはあるものの、霊感というやつはまったくない私だが、幽霊や化物などの超自然的な存在は半信半疑で信じることにしている(その方が夢があるし面白い。現代化学が絶対ということもないしね)。
それでも、得たいの知れないものに対する恐怖心はここ数年覚えたことがなかった。
――彼の話を聞くまでは。
彼が、○○○○病院(実名は伏せる)に入院していた時に遭遇してしまった血も凍るような経験……
まじで怖かったよおおおおおおおおおおおおおおおおおブ(´;ω;`〉ワッ
部屋の空気がダイアモンド・ダスト!
怪談上手いね、と何とか返す私に
「事実を話すだけなので簡単です」
と、さらっと言ってのける。
この話を書きながら、私は昔の知人のことを思い出した。
しょっちゅう幽霊を見るという。
その知人の話もまた、事実を淡々と語るだけだった。
知人にとってはそれが日常、身に起きたことを語るだけ。
怖がらせようという思いなど特に無く、当たり前のことを話すだけ……。
あの時もまた、心底震え上がった記憶が蘇る。
怖い話をする時、逆説的ではあるものの、相手を怖がらせようとしてはいけない――
ホラー日記を書く機会があったら気をつけよう。
そんな風に思った、久々のまともな日記。
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